サンスクリット語とは?
サンスクリット語はインドや南アジア、東南アジアで用いられた古代語です。文学や哲学、芸術、宗教で使われることで広く広まりました。現在は公用語として用いられることはありませんが、仏教やヒンズー教などの礼拝用言語として強い権威を誇る言語だといえるでしょう。
仏教を通じて梵語として中国経由で日本に渡ってきた馴染み深い言葉です。「お盆」の語源など、日本語として取り入れられた言葉も少なくないです。また、現在もヨガの単語として聞き覚えがある人も多いでしょう。
今回は、かっこいいサンスクリット語を、単語・名前・名言に別けて紹介します。
サンスクリット語は印欧語族と呼ばれて、東洋の言葉より西洋の影響を受けた響きの言葉が多いです。かっこいい響きや意味を持つ単語は、子供やペットへの名前付けにも最適です。心に響く言葉の数々を知って日常で活用しましょう♪
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かっこいいサンスクリット語8選!【単語編】
まず初めに、かっこいいサンスクリット語の単語を紹介します。かっこいい単語の中には人々に崇められた神の名前を語源とした言葉も多いですよ。心に響き渡ることで気持ちを清らかにするかっこいい単語を確認しましょう!
①アグニ
アグニは日本語で「火」を意味する言葉です。ラテン語で火を表すイグニは、このアグニが語源だといわれています。
インドの神話に登場するアグニ神は火を司り、神と人々を結びつける存在として太陽や電光、祭火、天空地に現れます。インドで最古の聖典「リグ・ベーダ」には、武勇神インドラの次に多くアグニへの讃歌が捧げられています。
アグニ神は元来かまどの火を神聖化した神様です。家屋を守り浄化する力を持つとして人々から人気の高い神様でした。インドでは火を男性と捉え、アグニ神は力強い男神だと考えられています。
②アンシュゥマト
アンシュゥマトは日本語で「太陽」を意味して、光に満ちて輝いていることを表します。男性名詞なのでアンシュゥマトという名前を持つ男性が多いです。
ヒンドゥー教の文書「プルアナ」には、アンシュゥマトの名を持つ祖先が王国を再建したという話があります。偉大な権威があって、衰えていた物を再生させる力強い印象を与える単語だといえるでしょう。
インドで太陽といえばスーリヤ神が連想されます。ヨガで基本となる太陽崇拝のポーズは、スーリヤ神への感謝のポーズを表しています。スーリヤが登場するラーマーヤナにもアンシュゥマトが登場しています。
③イーシュワラ
イーシュワラは日本語で「神様」「権力者」「統治者」「宇宙の現象全て」を意味する単語です。宇宙の現象の全てというのはとても抽象的ですが、偉大で力強いイメージを抱かせます。
ヒンドゥー教の聖典「バガヴァッド・ギーター」やサンスクリットの祈りの詩節集「ダクシナムールティ・ストートラム」にも登場する言葉です。平穏な心をもたらして執着、葛藤、不安、憎しみから心を解き放ち心を豊かにすると考えられています。
時間や空間を超えて存在する良いものもわるいものも全てイーシュワラです。現在の状況や原因、将来の希望や不安の全てを示す偉大な言葉だといえるでしょう。
④アヒムサー
アヒムサーは日本語で「非暴力」を意味します。否定の「ア」と暴力を意味する「ヒムサー」を組み合わせた単語です。非暴力とは生きるものすべてに暴力を振るわないこと。人、動物、そして植物に対して、行動と言動と思考の全てで傷つけないことを意味します。
正しく真っすぐな姿勢をイメージさせて、清らかでかっこいい単語です。仏教ではブッダがアヒムサーを提言して、非暴力を訴え立ち寄った村の人々に教えを説いたと考えられています。
インドの宗教で最も厳しいジャイナ教では、アヒムサーを大事な思想だと崇めて破ることを禁忌と定めています。
⑤カウムディー
カウムディーは日本語で「月明かり」「月光」「爽やかな冷たい月からの光」を意味する単語です。
カウムディーを直訳すると「クムダのもの」という意味を示します。そのため、地球を意味する「ク」と、喜ぶ者を意味する「ムダ」を併せた「クムダ(=蓮の花)」が語源だと考えられています。
太陽や炎のように強く勇ましいイメージとは逆転して、冷静でゆったりとした美しく凛とした単語です。蓮の花を照らす月明かりのように、神秘的で心を穏やかにしてくれる単語です。
⑥マハトマー
マハトマーは日本語で「偉大な魂」を意味する単語です。偉大や高貴を意味する「マハ」と、魂を意味する「アートマン」を組み合わせた言葉です。
マハトマーから連想されるのはガンジーです。ガンジーの本名はモーハンダース・カラムチャンド・ガンジーです。しかし、揺るがない意志と精神力で、世の中をひっくり返すような革命を起こしたことからマハトマーという尊称を持っています。
ガンジーは非暴力と不服従をモットーに活動を指揮して、英国からの独立を勝ち取ることに成功しました。非暴力の活動として、不買運動や仕事放棄といった抵抗によって抗議を行っていたそうです。
不屈の精神は後のキング牧師などに強く影響を与えた存在だといわれています。日々変化する毎日の中で、過去を引きずることなく前進する勇気を与える言葉です。