GoToキャンペーンの目的は、コロナウィルス感染拡大によって大きな打撃を受けた旅行業界や観光地の経済回復にあります。観光業界を支える外国人観光客数を前年度と比較すると3月期は93%源でした。
とりわけ緊急事態宣言が発令された4~6月間は多くの宿泊施設が休館に追い込まれ、倒産も相次いでいます。この状況を打開するためにもGoToキャンペーンの果たす役割は大きいといえるでしょう。
感染の拡大により地方の医療体制の逼迫が懸念される
GoToキャンペーンの実施がもたらす感染拡大により、地方の医療体制の逼迫が懸念されます。観光業界をはじめ多くの業界での経済的な打撃が懸念される一方で、第2波の足音も確実に大きくなっているといえるでしょう。
東京都内では連日100人を超える感染者が発覚しており、急遽GoToキャンペーンの対象から外されました。しかし、感染拡大の恐怖が収まったわけではありません。
旅行業界が実施する新型コロナ対策
GoToキャンペーンに期待を馳せる旅行業界においても、感染拡大は業界の死活問題につながりかねません。他の業界よりも数段新型コロナ対策には神経を使っているといえるでしょう。そこで、旅行業界が実施する新型コロナ対策についてまとめてみました。
旅行会社のツアー内容の工夫や提携先の状況把握による感染防止対策
日本旅行業界では感染予防の行動計画を策定し「3密・感染対策」のツアー商品を販売しています。
また、旅行会社においては担当者自ら提携する宿泊施設を訪れ、施設内の感染防止対策をチェックしているのが現状です。
また独自のツールを開発し、旅行者に対して宿泊施設や飲食店の感染防止対策を明示するサービスを提供するなど、旅行者の完全防止対策には余念がありません。
航空会社のチェックインや機内環境の感染防止対策
航空会社では乗務員のマスク着用はもちろん、乗客にものマスク着用も呼びかけています。また搭乗前の非接触チェックインシステムの導入も着々と進んでいるのが現状です。
最新の換気システムが導入された機体について、ソーシャルディスタンスは必要ありません、しかし、万全の体制とするため中間席を空けるなどの対策を講じている航空会社もあります。
宿泊施設の施設内の殺菌や換気による感染防止対策
宿泊業界ではガイドラインを作成してコロナ感染防止対策の徹底を図っています。従業員のマスク着用はもちろん、手指の消毒の徹底、入浴所での混雑回避のためのシステム導入を行っています。
さらに施設内共有箇所の定期的な殺菌消毒や換気を義務付けています。またイベントの縮小・中止、出入業者へのマスクの着用などの感染予防対策を依頼しているのが現状です。
GoToキャンペーンは積極的に利用すべき?
Yahoo!ニュースが約17万人にGoToキャンペーン利用の意識調査をしたところ、「旅行したくない」が74.2%、「旅行したい」が21.1%と、多くの人がこの状況下での旅行を懸念している結果となりました。
経済回復という観点では積極的な利用を促したい政府や環境業界の意見があるなか、さらなる感染拡大の防止のため一部の地域の適用除外や延期が検討されています。
GoToキャンペーンの利用には慎重な判断が必要とされるでしょう。