記事の目次
- 1.干支の漢字は、なぜ読み方が違うのか?
- 2.1.暮らしに息づく干支の漢字を調べてみよう!
- 3.正午の「午」は干支の「うま」
- 4.2.干支の漢字の読み方が違う理由は古代中国に!?
- 5.干支の漢字は中国の皇帝が作った!?
- 6.甲乙の続きを全て言える?
- 7.江戸時代までは干支の漢字カレンダーだった!?
- 8.干支の漢字は植物にも例えられた!
- 9.3.干支の漢字も陰陽五行でスッキリ解決!
- 10.なぜ甲子は「きのえね」と読むのか?
- 11.4.干支の漢字の意味と乾さんとの関係とは!?
- 12.鬼門の起源は干支の漢字だった!
- 13.5.戊辰戦争は干支の漢字の読み方から名付けた!?
- 14.新政府軍と庶民では感覚が違った?
- 15.6.中国の12番目の干支は豚!?干支の動物の由来とは?
- 16.豹も干支の漢字なの?
- 17.7.干支の漢字の意味を探求する!
- 18.「辰」は貝だった!
- 19.「戌」の意味は武器!
- 20.8.水戸黄門の歌による干支の覚え方
- 21.歌なら、漢字もすっと頭に入る!
- 22.大事なのは漢字ではなく母音
- 23.9.干支の漢字に動物が広まった理由
- 24.日本で知られる干支の逸話
- 25.鼠は悪者なのか?
- 26.10.干支の漢字は、画期的なシステム!
- 27.2000年以上前に干支の漢字が使われた!
- 28.干支の漢字と還暦のつながりとは?
- 29.11.二割の人しか知らない「十干」の漢字の意味とは?
- 30.「丙」は土台を固める
- 31.「戊」は古代のトレジャーハンター
- 32.「辛」は収穫祭の意味!
- 33.「癸」は戦国時代のヒーロー!
- 34.まとめ
漢字そのものに意味や理由はありませんが、十二支がどのような用途で使われていたのかには、大いに意味があります。
一つ目は時刻です。二つ目はカレンダー(暦)です。そして、三つ目が方角です。どれも暮らしに身近なものばかりです。
少し珍しい名字ですが、「乾(いぬい)」さんという知り合いはいないでしょうか。これは十二支が方角に使われていたことを理由づける名字なのです。
北を「子(ね)」として時計回りに当てはめていくと、最後は「戌(いぬ)」と「亥(い)で終わります。
時計回りでいったので、戌と亥の方角は北西に当たります。元の村(本村)から見て、北西の方角に住んでいた人を「乾の方角に住む人」という理由から「乾(いぬい)」さんと名付けました。
鬼門の起源は干支の漢字だった!
名字ではありませんが、北東は艮(うしとら)、南東は巽(たつみ)、南西は坤(ひつじさる)と江戸時代の暮らしの中で使われていました。
ここでピンと来た方もいるでしょう。艮(うしとら)の方角は鬼門です。風水も関わってきますが、みなさんのイメージする鬼はどんな鬼でしょうか。赤鬼や青鬼でしょうか。
しかし、「鬼の採用条件」というものがあります。それは、色でも角の本数でもありません。角が一本でもあれば鬼です。
答えは牛と虎です。北東を鬼門、つまり鬼が攻めてくる方角と平安時代の日本人は考えました。そこから、イメージした昔の日本人は牛の角が生えて、虎皮のパンツをはいた妖怪を「鬼」と読んだのです。
するどい牛の角に、虎を退治して皮を衣服にしてしまうほど腕力のある妖怪は、どれだけ強いのでしょうか。「鬼に金棒」ということわざがありますが、金棒を持っていなくても十分に強いはずです。
このように平安時代から江戸時代にかけて方角として十二支は、昔話の鬼に具現化されるほど、身近な存在だったのです。
5.戊辰戦争は干支の漢字の読み方から名付けた!?
旧幕府軍と新政府軍の戦いである「戊辰戦争」はご存知でしょうか。
薩摩と土佐を中心とした新政府軍は錦の御旗をかかげ、官軍として旧幕府勢力に対抗し、徳川慶喜、会津、榎本武揚を中心とした旧幕府軍は箱館(現在の函館)の地で終焉を迎えます。
新政府軍と庶民では感覚が違った?
日本で最初の近代戦争と言われる戊辰戦争の名も戦争の始まった年が「戊辰の年」だったことから名付けられています。
アームストロング砲などの近代兵器を使用した戦争ですが、その名前は旧暦の干支を用いた「戊辰」から名付けられているのは、庶民の暮らしと新政府の理想との感覚に違うイメージがある証拠でしょう。
それぐらい庶民や戦争に参加した者にとっても戊辰の年に起きたから戊辰戦争と名付けるのは一般的な事だったのです。
ちなみに西暦で言うと1868年に当たります。
6.中国の12番目の干支は豚!?干支の動物の由来とは?
十二支の動物がどうやって決められたのか、なぜ「子」が鼠なのかと問われても答えは謎です。
また、非常に古い時代から使われて広まった十二支ですから、漢字圏の国である日本、大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国、中華人民共和国、台湾などは十二支が使われています。また、漢字圏ではないもの中国と国境を接するベトナム社会主義共和国やモンゴル国でも使われています。
豹も干支の漢字なの?
ここで面白いのが12番目の「亥」です。日本ではイノシシを年賀状などに描きますが、中国では豚を書きます。豚というと日本では「臭い」とか「安い肉」のようなマイナスイメージがありますが、中国で豚に対する地位は高く、全く違うイメージです。
ピンク色の豚がかわいらしい笑顔で新年を祝う絵やイラストを見ていると愛らしさを感じます。
中国の暮らしにおいて豚は大切な家畜であると同時に食糧でもありました。一家に豚がいることは富の象徴であり、12番目の干支に豚を据えるのは自然なことだったのです。