記事の目次
- 1.おりものについて
- 2.正常なおりものについて(1) 黄緑にはなるの?
- 3.正常なおりものについて(2) 量や臭いは?
- 4.おりものの色が黄緑~緑になった?
- 5.おりものが黄緑~緑に変化した原因 1 クラミジア
- 6.おりものが黄緑~緑に変化した原因 2 淋病
- 7.補足:妊娠初期にされる検査の一部について
- 8.おりものが黄緑~緑に変化した原因 3 トリコモナス膣炎
- 9.おりものが黄緑~緑に変化した原因 4 子宮内膜炎
- 10.おりものが黄緑~緑に変化した原因 5 細菌性膣炎
- 11.何度も繰り返される黄緑色のおりもの
- 12.生理前に黄緑や緑色のおりものになった?
- 13.臨月に黄緑のおりものが出た?
- 14.おりものが黄緑や緑だけど、放置したらどうなるの?
- 15.おりものが黄緑や緑になったらどうなる? まとめ
おりものが黄緑~緑に変化した原因 2 淋病
淋菌を原因とする病気で、STDの一種です。もともとは、弱い菌でしたが、近年は抗生物質耐性菌が出ているようです。淋菌に感染している場合、HIV感染のリスクが増大します。
また、クラミジアと同時感染を起こしやすいことも有名です。潜伏期間は2~7日です。
男性の場合は尿道炎という病気を発症し、尿道口から膿が出てくるといった比較的わかりやすい症状を見せるので比較的わかりやすいのですが、女性の場合、白~黄緑のおりもので、嫌な臭いがするくらいで、男性と比較しても症状が出にくいこともあり、気が付きにくいのが現状です。自覚症状がないケースもあり、その場合、無臭に感じることもあるでしょう。
淋菌は、何度も感染を繰り返します。一度感染して治療したから大丈夫といったことは決してありません。
治療方法としては、淋菌には耐性菌が多いため、抗生物質の点滴や筋肉注射が一般的です。治療が終了しても、もう一度検査を行い、淋菌がいないことを確認することが大事です。
妊娠初期に淋菌に感染すると、早産・流産のリスクが増加します。
また、臨月までに淋病の治療がされなかった場合、出産時に産道感染で乳幼児が感染することがあります。
その場合、結膜炎・関節炎・尿道炎などを起こします。
結膜炎を発症した場合、最悪失明するケースがあります。そのため、臨月で淋病が発覚した場合、帝王切開の可能性もあります。
妊娠初期に行われる検査では、淋菌の検査が含まれていないことが多いです。可能性があるのなら、追加検査を行うことが大切です。
補足:妊娠初期にされる検査の一部について
妊娠初期に、妊娠検査と同時に、様々な検査を行うことがあります。その中の一部についていくつか説明します。
血液検査で行われる主な項目
HIV・肝炎ウイルス・ATL(T細胞白血病の原因ウイルス)・梅毒
※母子感染のリスク有(B型肝炎に関しては、事前にわかっているとワクチン投与で赤ちゃんへの感染の予防が可能。)
・風疹抗体:妊娠中に感染すると生まれる子供に影響が出る(先天性風疹症候群)
・トキソプラズマ検査:猫や犬のふんから感染。流産のリスクが上がる可能性あり。※検査する医療機関とない医療機関有。細胞検査にて、クラミジア検査を行う医療機関もあり。
必須の検査項目でないものでも、任意で淋病やその他の病気も検査してくれる医療機関もあります。
コストはかかるかもしれませんが、妊娠中に感染していた場合、子供へのリスクが高くなります。不安なら、妊娠初期の検査と同時に受けておいたほうが安心できますよ。
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おりものが黄緑~緑に変化した原因 3 トリコモナス膣炎
トリコモナス原虫といわれる原虫(動物みたいな微生物)が原因の病気です。潜伏期間は10日~1か月といわれていますが、半年くらい潜伏していたというケースもあります。
黄色~黄緑色の泡状のおりものに変化し、量も増え、嫌な臭いもすることがあります。また、性器が赤くなり、かゆみや違和感を覚えたり、排尿時に痛みを感じることもあるようです。
しかし、症状が出ないケースが20~50%くらいあり、その場合、おりものも普通で、無臭だったというケースもあるようです。
水の中で、しばらくの間生存が可能といわれており、不特定多数の利用するトイレ・温泉などでも感染の可能性があります。
治療方法としては、抗原虫薬と呼ばれる専用の薬を10日間ほど連続で服用するのが一般的です。また、膣錠といって膣に直接入れるタイプの薬を使用するケースもあります。
妊娠初期に感染を起こすと、原虫の増殖が原因で流産の可能性が上がります。妊娠中期に感染が発覚した場合、後期になる前に徹底的に治療を行います。
臨月までに治療が行われていなかった場合、産道感染のリスクが伴います。また、前期破水のリスクも増大するといわれています。
おりものが黄緑~緑に変化した原因 4 子宮内膜炎
子宮内膜に炎症が起きる病気です。
膿を持った黄色~黄緑色のおりものになります。不正出血を起こすケースもあります。臭いに関しては、嫌な臭いがする…というケースが多いようです。
月経が周期的にある人は、炎症を起こす原因が月経時に子宮内膜とともに排出されやすいのですが、閉経後・出産後すぐ・流産後など、子宮内膜がはがれにくい人がなりやすいといわれています。
治療方法としては、抗生物質を投与することになります。症状がひどい場合には、消炎剤を同時に投与されることになります。
おりものが黄緑~緑に変化した原因 5 細菌性膣炎
乳酸菌(デーデルライン桿菌)の影響で、膣内の環境は酸性を保っています。しかし、ストレスなどで免疫力が落ちると、大腸菌やブドウ球菌といった菌が増殖しやすくなります。
そういったいわゆる悪玉菌が増殖して膣内で炎症を起こす病気です。症状は、ヨーグルト状・もしくは黄緑色のおりものが出てくる点です。
臭いは、嫌な臭いがしたという場合と、無臭に感じたというケースがあります。外陰部がかぶれるといった症状もあります。
この病気を予防する方法はいくつかあります。
・ストレスや疲れをためずに、しっかり休む:免疫力を落とさないことが大事です。
・排便後に拭くときに、体の前から後ろに拭く:大腸にいる大腸菌やその他の雑菌を膣に入れないためです。
また、膀胱炎の予防にもなるので、積極的に前から後ろに拭きましょう。
・生理前や生理中は膣もデリケートになりがちです。できるだけ、清潔に保つことが予防になるそうです。
妊娠初期に発症した場合、さらに奥に入り込み、絨毛膜・羊膜炎になり、流産や早産の原因となります。また、分娩後に産褥子宮内膜炎になるリスクが増大するといわれています。
臨月に感染した場合、前期破水の原因となったケースや新生児の病気の原因になるケースもあるので、注意が必要です。
何度も繰り返される黄緑色のおりもの
病院に行き、きちんと治療したのに、また黄緑色のおりものになった…といった場合、パートナーはきちんと治療しましたか?
主にSTDでのケースですが、自分だけが治療しても、パートナーが感染していた場合、また感染をしてしまいます。(ピンポン感染)
ですので、きちんとパートナーも泌尿器科などで同時に治療を行うことが大切です。