「こちとら」ってどういう意味なの?
皆さんや、または皆さんの周囲の人で「こちとら」という言葉を使っている人はいますか?最近ではなかなか「こちとら」という言葉を使っている人はいなくなってしまいましたが、元気のある50代や60代以上の人であれば会話の中で普通に使っている人もいるようですね!
「こちとら」とはいったいどう意味なのかというと、実は「僕は」「私は」といった意味の自分の事を表す時の一人称として使われます。
「こちとら」についての雑学をご紹介すると、丁寧な言い回しである「こちら」がなまったような意味の言葉にも感じられますが、「こちとら」は漢字で書くと「此方人等」と表します。
もともと「此方人(こちと)」という自分のことを意味する一人称があり、そこに複数形の「等(ら)」をつけて「俺達は」「我々は」といった意味で使われ始めた言葉だと言われているようです。
俺は、私はというより「こちとら」と言う言葉を使った方が言葉の勢いがよく、威勢の良さを表すことができますね♪
自分を意味する言葉「こちとら」!これって標準語?方言?
自分を意味する言葉である「こちとら」ですが、この言葉は果たして標準語なのか方言なのかいったいどっちなのでしょうか?
実は自分を意味する言葉である「こちとら」は主に東京で生まれ育った年配者が使っている方言のイメージがありますが、実は厳密にいうと方言ではなく標準語に近い面白い言葉ということになります。
「こちとら」はいわば伝統ある東京下町に受け継がれる東京弁ともいうべき言葉であり、東京で生まれ育った人の中には自分ではその言葉を使うことはなくても、聞いているとどこか心地良く感じるような場合もあるようですね。
美しいイントネーションの標準語とは違ってもう少し庶民的でくだけたイメージの「こちとら」は、プライドの高い職人気質の年配者たちに好んで使われることもよくあります。
「こちとら」の言葉の意味の雑学!その由来とは?
方言ではなく標準語ともいえない独特な面白い文化を持った江戸の下町言葉「こちとら」。「こちとら」に関する雑学はネット上でもたくさんご紹介されていますが、実は「こちとら」という言葉が使われ出した歴史はとても古く、その始まりは江戸時代にさかのぼるといわれています。
英語では自分を意味する一人称は「I」だけですが、日本語では自分を意味する一人称は数えきれないほどあります。「私」「僕」「俺」「あたし」「うち」「おいら」「拙者」など方言や標準語を合わせるとその数は膨大なものになります。
外国人にとっては日本語は難しいと言われるのはこの言葉数の多さにあるのですが、自分を表すこれらの言葉は1つ1つ使い方によって相手に与える印象が変わるのもまた特徴といえます。
「私」はビジネスのシーンでも使うことが多く大人として振る舞いたい時に便利な言葉になりますし、「俺」は自分を少し格好よく見せたい時にも使われますよね。
同じように「こちとら」は東京下町に生まれ育った少し年配の人にとっては、相手よりも優位な立場に立ちたい時や自分の事を少し大きく見せたい時によく早口でよく使われる言葉になります。
標準語に慣れていない人うあ江戸の下町言葉は聞きなれない人にとっては少し怖いイメージに感じることもあるのですが、言葉の雑学を知っていればそこまで警戒する必要のない言葉なのだということがよく分かりますね。
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「こちとら」は男性が使う意味の言葉?女性も使って良いの?
それでは「こちとら」に関する雑学をもう1つ!「こちとら」は方言でも標準語でもない面白い言葉だとご紹介しましたが、男女で使い方を区別した方が良い言葉なのでしょうか?
東京の下町に住む年配の方に好んで使われる「こちとら」ですが、男性がよく使っているのを見聞きすることはありますが女性が使っているのはあまり見かけることはありませんね。「こちとら」は女性は使ってはいけない意味を持つ言葉なのかと疑問に思うことはありませんか?