一丁締めは知らないけど、一本締めは知っている?
仕事の宴会や忘年会の最後に付き物なのは、参加者全員が参加する掛け声です。頻繁に使われるセリフは、「お手を拝借~」から始まる「一本締め」でしょう。
宴も終盤に差し掛かりそろそろお開きの時間、という場面で、仕事のまとめ役の人がこう声を張り上げるはずです。
「それでは皆様、宴もたけなわではございますが、最後は一本締めで締めたいと思います。」
「お手を拝借・・・いよーおっ。」そして、参加者の拍手が「パンッ!」と鳴り響く、というやり方です。
こういった「一本締め」は、仕事をする社会人であれば誰でも見たり実践したりしたことがあることでしょう。でも、「一本締め」の本当の意味ややり方を知っている人は少数だと思います。アナタはいかがですか?
一本締めと一丁締めを勘違いしていた!?
実は、先ほど例に挙げた「お手を拝借・・・」から始まる「一本締め」のやり方は、大きな間違いです!仕事の宴会の最後を飾るにはふさわしくないやり方を実践してしまっている、とても恥ずかしい掛け声なのです!
最近は、宴会の挨拶を任されるようなお偉いさんでも、「一本締め」の意味ややり方を勘違いしている人が目立ちます。もしくは、「お手を拝借・・・」までは良いものの、そのあとの拍手が10回か1回か分からず、その場でまごついてしまう参加者も多いのが現状です。
仕事の宴会の最後を締める大事な挨拶が、てんでバラバラな拍手になってしまっては興ざめですね。
こういった事態を引き起こすことになった原因は、「一本締め」と「一丁締め」の意味の混同にあります。
このページでは、本来の「一本締め」と「一丁締め」違いを明確にし、それぞれの掛け声やセリフのやり方を詳しくご紹介します。この知識さえあれば、仕事の挨拶の席でも恥をかかずに済みますよ!
「一本締め」と「一丁締め」は、ナニが違う?
まずは、「一本締め」のやり方を再確認しましょう。「一本締め」の「一本」から、「お手を拝借・・・」のあとには一回拍手をする、というやり方を連想しますが、コレがそもそもの間違いです。
一本締めは、「お手を拝借」のあとに手を「10回」叩くことで、仕事の会の終わりに挨拶をするやり方です。基本的な10回の拍手のリズムは、掛け声の「いよーおっ!」の後に続いて、
「パパパン、パパパン、パパパン、パンッ!」という風になります。ちゃんと、挨拶の後に10回手が鳴らされていますね。
「一本締め」の10回の拍手に隠された意味とは?
「一本締め」の掛け声やセリフに続く10回の拍手は、一本締めの本来の意味を表しています。
10回の拍手の内訳は、3回を×3度、そして1回を1度、という風になりますね。最初に鳴らす3回×3度の拍手は、計9回です。9は、漢字で書けば「九」になりますが、ここに、最後の1回(一角)を加えると「丸」という漢字が書けます。
つまり、一本締めの掛け声の後に打たれる10回の拍手は、仕事の会が問題なく「丸く」おさまることを意味しています。宴会が丸くおさまったことを社員全員で確認し、幹事の挨拶の後、大きな掛け声とセリフで祝うのが、一本締めの本来の目的なのです。
もしくは、3回×3度の拍手が「九」=「苦」を表す、という説もあります。こちらもおなじく、最後の1回の拍手で「苦」を祓って「丸く」おさめる、という意味になります。
一本締めが、宴会が無事に終わることに感謝する、という意味の挨拶であることが分かって頂けたと思います。