ハーフの子どもの名付けはどうする?
異なる人種の両親を持つ子供のことを、ハーフといいます。ハーフとは半分という意味があるため、最近ではミックスやダブルという言い方をするようになってきました。
日本在住のハーフに多いのは、やはり、両親のどちらかが純日本人で、もう片方が日本人ではないというケースでしょう。日本は長らく単一民族の国として成り立ってきましたが、近年ではハーフの人口も増えてきましたよね。
純日本人の子供として日本で幼少時代を送り、日本を生活のベースにするであろうケースとは違い、日本以外の国とのハーフだと、日本の文化だけでは生きていけないこともあるでしょう。ただ単純に「外国っぽい名前をつければいい」というわけではありません。
生活環境や常識・良識においてはその都度で身に着けていけばよいのですが、名前だけは、その都度変更していくわけにはいきません。日本で出生届を出している以上、名前は簡単に変更できないからです。
今回は、ハーフの子供を持った際、名付けをどうするかというポイントをあげていきましょう。
ハーフの子どもの名前で最初に決めること
純日本人同士の親の間に生まれた、純日本人の子供は、日本を生活ベースにして生きていきます。祖父母を始めとする親戚も、純日本人ばかりであることがほとんどですので、日本での良識や常識にあわせて名付ければ問題ありません。
では、ハーフの子供はどうなのでしょう?両親のうち片方が日本人でないということは、祖父母のうち1組は日本人ではありませんよね。単純に考えれば、親戚も半数程度が日本人ではなく、その国の文化で生きているでしょう。
そのため、ハーフの子供の名付け方は、日本の子供の名付け方とは違います。どんな点を頭において名付ければよいのか、ポイントをあげていきましょう。
国籍や長く過ごす国を基準にする
ハーフの子供は、両親がそれぞれ別の人種です。そのため、両親の出身国が違うということがほとんどです。
では、ハーフの子供は、両親の出身国のうち、どちらの国で生活していくのでしょう?
日本で生活している日本人とアメリカ人の夫婦もいれば、アメリカで生活している日本人とアメリカ人の夫婦もいますよね。前者なら生まれた子供は日本で暮らすでしょうし、後者の子供はアメリカで暮らすケースがほとんどでしょう。
どちらも日本とアメリカのハーフですが、生活していく国が違うと、日常で使う言語や文化が違います。周囲の人が違うからです。そのため、前者の場合は日本に基準をおいた名付けをし、後者の場合はアメリカに基準をおいた名付けをするのがベターです。
また、出生国と今後生きていく国が同じとは限りません。父親や母親の母国へ移住することも十分に考えられますので、今後、その子がどこの国で生きていくのかをある程度予想する必要があります。
国によってつけてはいけない名前がある
「どこの国でも名前は名前!」という意見もあるでしょう。世界中どこにいても、その子の名前はその子のものであり、変更する必要はありません。しかし、その子が持つ名前だからこそ、その子の生活環境に合わせて名付けないと大変なことになります。
例えば、日本では一般的な「ヒトミ」も、英語圏では「hitomi」ではなく「hit me(私を殴って)」に聞こえてしまいます。日常会話の中で名前を呼ばれる際、ゆっくりと「hi・to・mi」と区切って発音してもらえることはほとんどないでしょう。
他にも、日本人の名前ではおかしくない「マリカ」も、スペイン語圏では「Marica」は侮辱の言葉。口にするのもはばかられるような言葉なんです。
ハーフの子供につけようとしている名前は、両親の出身国どちらでもおかしくないのか、口に出したり文字に書いても問題ない名前なのかを確かめる必要があります。
ミドルネームが必要か・位置はどこか
日本ではなじみのない、「ミドルネーム」というものが存在する国もあります。
ミドルネームとは、姓と名前の間にある名前のこと。キリスト教徒が洗礼名をミドルネームにしたり、国の文化として母の旧姓をミドルネームとしたり、尊敬する人物の名前をミドルネームにしたりします。
また、日本では20万種類といわれる姓の数ですが、海外では姓の数は1万種類程度の国がほとんど。同姓同名が多くなってしまうため、見分けるためにミドルネームを入れるというケースもあります。
ミドルネームは、多くの国で姓と名前の間に表記されます。しかし、国や地域によっては名前の最後につけたり前につけることもあるので、姓とのバランスも考える必要があります。
カタカナ・ひらがな・漢字をどう使うか
日本語を学ぶ外国人がよく「日本語には、カタカナ・ひらがな・漢字があるので、他の言語より覚えることが多い」と言います。海外では、1つの文字をメインに使う文化がほとんどなので、日本語は異質といって過言ではない言語でしょう。
日本人の子供の場合、名前には2通りまたは3通りの書き方があります。例えば「ケン」なら、カタカナで「ケン」、ひらがなで「けん」、漢字で「健」「憲」「賢」などです。
ハーフの子供の場合、さらにアルファベットやアラビア文字、ハングルや中華文字などの書き方が加わってくるのです。
こうしたややこしさから、ハーフの子供の場合、正式な日本名をひらがなにしたりカタカナにすることもあるでしょう。また、漢字は画数が多く、海外の人には書くのが難しいため、使用しないという両親もいます。
ハーフの子どもの名前をつけるポイント
ここからは、ハーフの子供の名前を付ける際の、大きなポイントを見ていきましょう。
海外でも通用する名前にする
ハーフの子供全員がそうだとは言えませんが、ハーフの子供は、両親の出身国である2つの国以外へ移住する可能性もあります。
純日本人の子供と比べて、海外文化に興味を持ちやすいからです。何より、両親のうち片方が出身国とは違う国で生活しているのですから、その様子を見て、出身国ではない国を生活ベースに選ぶこともありえるでしょう。
そうした場合を考えて、日本でしか通用しない名前や、日本語に慣れている人にしか発音できないような名前は避けた方が無難です。具体的には、2文字の名前は海外の人にも発音がしやすく、覚えやすいとされています。
また、海外では良くない名前というものもあります。地球上のすべての国のことを調べる必要はありませんが、両親それぞれの出身国や、世界で多く使われている言語については調べておく方が良いでしょう。