体が冷えるとなぜ寝つきが悪くなるの?
眠気には、1日の体温変化も関係しています。人の体温は、体内部の温度「深部体温」と体の表面の温度「皮膚温」があります。
深部体温は、夕方ごろにピークを迎え、夜になると徐々に低下。この深部体温の低下が眠気を誘発します。
体温が下がると眠くなるのに冷えで眠れないというのは、矛盾しているように思えますが、多くの方が感じている手足の冷えは、皮膚温の低下。皮膚温が上昇することで、皮膚から放熱が進み、深部体温が下がります。
つまり、手足が冷えていると上手く深部体温が下がらず、寝つきが悪くなってしまう可能性があります。そのため、眠る前に体をあたためて、放熱をサポートすることが重要です。
今回は、寝具でお馴染み「西川」のスリープマスターが「冷えて眠れない」お悩み解消法を○✕クイズで解説します。
「冷えて眠れない!」お悩み解消○✕クイズ 全5問
お悩み解消○✕クイズ!
- Q1、冷えた体は、熱いお風呂で温めると良い?
- Q2、日中の活動量が夜の睡眠に影響する?
- Q3、寒くならないように、毛布を何枚も重ね掛けする?
- Q4、エアコンは朝まで付けっぱなしにしてもOK?
- Q5、パジャマは厚手のものを選ぶべき?
みなさんはわかりましたか?ぜひ一緒に考えながら答え合わせをしてみてくださいね。寝具でお馴染み「西川」のスリープマスターが1問ずつ答えを解説します!
【Q1】冷えた体は、熱いお風呂で温めると良い?
答えは✕。スムーズな入眠のためのポイントは「38〜40度のぬるめのお湯で10分程の入浴」すること。
眠る前に入浴して体をあたためることは、寝つきを良くする大切なポイントです。しかし、お湯が熱すぎる(42°C以上)と体が緊張し、入眠を促す副交感神経の働きが鈍り、眠気を遠ざけてしまう可能性があります。
お湯の温度は38〜40°Cのぬるめのお湯で、時間は10分程浸かって体の芯までしっかりと温めましょう。入浴が難しい日は手先や足先をあたためるハンドバス・フットバスもおすすめです。
スムーズな入眠のためには、入浴は就寝の1時間〜1時間半前までに済ませ、お風呂上がりの体が冷えないようにひざ掛けや着る毛布などを使って工夫してください。
【Q2】日中の活動量が夜の睡眠に影響する?
答えは○。「1日の活動量が少ないと、寝つきが悪くなる原因に」なります。
冬は、寒さで活動量が減りがちですが、日中の活動量が少なくなってしまうと、夜なかなか寝付けなかったり、眠りが浅くなってしまう場合があります。
外出しない日も、軽くて動きやすいダウンアイテムなどを活用して、室内でストレッチや家事など適度に活動しましょう。
【Q3】 寒くならないように、毛布を何枚も重ね掛けする?
答えは✕。「重ねた毛布の重さが体の負担に。掛けふとんだけでなく、あったか敷きパッドも効果的」です。
掛けふとんには、保湿性と吸放湿性の機能に加え、体に負担をかけずに、楽に寝返りができる軽さとフィット性も求められます。掛ふとんを何枚も重ね掛けすると、重さで寝返りがしづらくなり、汗でムレたり、寝ている間に暑くなって毛布をはねのけてしまう可能性もあります。
保湿性に優れた羽毛掛けふとんは1枚でも十分あたたかく眠れますが、毛布をプラスする場合、西川では羽毛掛けふとんと毛布の2枚重ねをおすすめしています。
掛ける順番は基本的にご自身の落ち着く順番で使用することをおすすめしますが、下記のように、素材や機能によって使い分けてみるのも良いでしょう。
<綿やウールの吸放湿性の高い素材や、吸湿発熱素材など機能性のある毛布>
→羽毛掛けふとんの内側
<ポリエステルなどの化学繊維の毛布>
→羽毛掛けふとんの外側
また、掛けふとんだけでなく、保湿性や吸湿発熱機能を備えた敷きパッドを活用するとよりあたたかな眠りが得られます。
11月20日は「毛布の日」
- ちなみに、11月20日は「毛布の日」! 日本毛布工業組合によって2017年から制定された記念日です。明治20年の日本で初めて生産されて以来、あたたかな温もりで包み込む毛布は冬の眠りに欠かせません。
記念日に新しい毛布を新調するのも良さそうですよね♡
【Q4】エアコンは朝まで付けっぱなしにしてもOK?
答えは○。「寒さで目覚めてしまう可能性も。住環境にとっては睡眠中もエアコンをON、またはタイマー機能を活用」するのがポイント!
住環境によっては、睡眠中に寝温が急激に下がり、寒さで起きてしまう可能性があります。その場合は、朝までエアコンをつけっぱなしにする、もしくは、タイマー機能を活用して入眠や寝起きの1~2時間前後は暖めておきましょう。
エアコンの風は直接体に当たらないようにし、また、乾燥対策のために加湿器などを併用して温度だけでなく、湿度も調整してください。
【Q5】パジャマは厚手のものを選ぶべき?
答えは✕。「分厚い素材はムレやすく、不快感が眠りの妨げに」なることも。
パジャマは季節を問わず、寝ている間にかく汗をすばやく吸収してくれる素材を選びましょう。コットンやシルクの吸放湿性の高い天然素材がおすすめです。
分厚いパジャマはあたたかいですが、ムレやすく、寝返りが打ちにくくなったりと、不快感が眠りの妨げになります。睡眠中の寒さ対策は、パジャマではなく寝具で温度調整をしましょう。