では、この2つの意味を合わせたとき、「地頭」にはどのような意味が適応されるのでしょうか
。ここまではわかりやすい例として「地頭」を考えましたが、ビジネスの場では、より深く「地頭」の読み方を考えるべきです。次項では、「地頭を鍛える」ことを主題にして、もう少し深く意味を探っていきましょう。
「地頭」を鍛える方法
情報構築力を鍛える
地頭の良い人は、膨大な資料を読みこなし、その情報を総括して考える能力に長けています。一つ一つの情報を把握することは誰にでもできます。問題は、その情報を俯瞰して捉え、論理的にまとめ上げる能力です。これが、本質を見抜く地頭を鍛えるということです。
地頭=情報構築力を見る具体例
例えば、利益の薄い受注を迫ってくる営業がいたとしましょう。「地頭の悪い人」ならば、そういった営業を片端から拒絶することで利益を守ろうとするでしょう。
しかし、「地頭の良い人」は、まず採算を考えます。会社の採算が営業の評価指数に入っていない状況が、営業の無理強いの根本的原因であることを突き止めるのです。
さらに、営業と製造元の連携が上手くとれず、生産ラインが滞っていたとします。
「地頭の悪い人」は、おそらくここで営業と製造の連携会議を発案するでしょう。しかし、問題点が浮き彫りになっていない状態で会議をしても、解決策を得ることは難しいはずです。部署同士の不満の言い合いで会議が埋め尽くされ、無駄な時間ばかりが過ぎていきます。
ここで、「地頭の良い人」ならば、営業と製造元が見るべき会社の採算が必要なことに気づくでしょう。互いの言い分が通らない本当の原因は、会社共通のモノサシが無いことなのです。
つまりここで見た2つの問題点は、どちらも会社の採算が軽視されていたことに発していたのです。
地頭を鍛える=構造化する習慣をつける
一見ばらばらに見える問題点が、実は会社の採算が重視されていない状況を示していたことがわかりました。「地頭の良い人」は、こういった問題点の本質を見抜くことに長けているのです。そして、その能力は日々の生活で鍛えることができます。
地頭を鍛えるためには、日常生活の問題点をひとつひとつ纏め上げ、論理的に考えることを習慣づけなければなりません。これを「構造化」という読み方で呼びましょう。
地頭=情報構築力を鍛える具体例
たとえば、企業研究の際、多くの会社の情報を集めたはいいものの、どれに絞るべきかわからない、という場合があるでしょう。
そんなとき、企業それぞれに共通する項目、たとえば理念や市場規模、教育制度などを一旦表にまとめあげれば、企業の違いが明確になります。
そしてさらに、自分自身が重要視する項目はどれなのか、その読み方も必要になります。
他の企業にある利点が、自分にとってどのようにプラスになるかを考えます。その利点は、会社の財務部門なのか、顧客部門なのか、それとも業務体系なのか・・・わかったら、その部門ごとにまた細かくリサーチして、さらに構造化してまとめ上げるのです。