妊娠初期の寒気で、お腹の痛みを伴うものは、流産の危険性があります。
軽くお腹に張りを感じる程度ならそれほど心配はいりません。
しかし妊娠中のお腹の激しい張りや痛みというのは、常に流産の危険性と隣り合わせです。
寒気に加えてお腹に痛みや激しい張り、出血があった場合には、流産の危険性も考えて、早急に病院に連絡をして指示を仰ぎましょう。
【要注意②】高熱を伴う
妊娠初期の寒気に加えて、高熱を出した時には、高熱を出す風邪か、インフルエンザといった感染症の可能性があります。
妊娠4週目くらいまでは、妊娠の自覚がまだないので、市販の風邪薬を飲んでしまうことがあります。市販の風邪薬の成分は弱く調合されているので、それほど胎児に影響はないと言われてはいます。
しかし、どんな影響があるのかはよくわかっていないところもあるので、妊娠中は自己判断で薬を飲むことはやめ、医師に相談しましょう。
高熱や、身体の節々の痛みや筋肉痛を伴うような、インフルエンザなどの感染症が疑われる症状が、寒気とともに出た場合には、まずかかりつけの産婦人科へ連絡を入れて、どうしたらいいのか指示を仰ぐことが大切です。
ちゃんと産婦人科のお医者さんのところには、妊婦さんがかかりやすい病気や感染症の治療法や薬が用意されています。
インフルエンザの時には、タミフルなどの治療薬を使っても大丈夫なのか心配になるでしょう。
そういったこともきちんと説明してくれるので、必要以上にパニックにならずに、安心して相談する様にしましょう。
【要注意③】背中の痛みや嘔吐を伴う
妊娠初期の寒気に加えて、背中の痛みや嘔吐、38度以上の高熱を伴う時には、腎盂腎炎の疑いもあります。
腎盂腎炎というのは、尿道から腎臓に細菌が侵入して増殖することで起こる病気で、抵抗力が弱まっていたり、膀胱炎と併発して起こったりすることが多い病気です。
妊娠中には子宮が膀胱を圧迫したり、腎臓と膀胱を繋ぐ尿道の収縮がホルモンの関係で弱くなったり、便秘が起こりやすくなったりすることなどから、膀胱炎になりやすいので、膀胱炎の増加に伴って、腎盂腎炎になってしまう人も多くいます。
腎盂腎炎そのものは妊娠の継続や出産には大きく影響はしません。
しかし、腎臓へ侵入した細菌が子宮へ回ってしまうと、赤ちゃんを包んでいる卵膜が破れてしまい破水してしまうこともあります。
また腎盂腎炎になると、高熱や嘔吐によって体力が大きく奪われることから、妊婦さんの身体に大きな負担を掛けてしまいます。
腎盂腎炎や膀胱炎を予防するためには、温かい水分を十分に摂ることと、尿道から侵入する細菌を排尿で流すために、トイレを我慢しないことが大切です。
妊娠初期に寒いと感じたら対処法を!!
妊娠初期に、つわりや黄体ホルモンの関係で寒いと感じることはそれほど問題がありません。
しかし、寒いと感じる原因が貧血や血行不良であった場合には、やはり赤ちゃんの健康への影響を考えると、早めに対処法を取った方がいいでしょう。
特に妊婦さんにとっては寒気を感じなくても、身体を冷やすことはよくありません。特に寒気を感じていない人でも、しっかりと身体を温める対処法は普段から必要です。
ということで、ここからは特に寒気を感じやすい妊婦さんへ必要だと思われる対処法についてお伝えします。
全てとは言いませんが、自分がやりやすいものや、自分に必要なものをぜひ実践してみてくださいね。
【対処法①】食生活で冷え改善
妊娠初期の寒気の対処法には、食生活に気を付けることが大切になります。
妊娠中の妊婦さんにとっては、身体を冷やすことが大敵であることは言うまでもありません。
しかし、妊娠初期にはつわりによる吐き気やむかつきをスッキリさせるために、ついつい冷たいアイスや炭酸飲料を口にしてしまう人が多くいます。
どうしても食べ物を身体が受け付けなくて、最低限のカロリーや水分を補給するためにやむなくそういった食生活になってしまうこともありますが、アイスや炭酸飲料のような口当たりはいいけれども、身体を冷やしてしまうようなものばかりになってしまうと、寒気を誘発する原因になってしまいます。
口当たりがいいものばかりを食べるのではなくて、赤ちゃんにも母体にも必要な栄養がきちんと取れるような、野菜をたっぷりと煮込んだスープなども取るようにして、身体を温めましょう。
【対処法②】身体を冷やさない工夫
妊娠初期の寒気の対処法には、身体を冷やさないように気を付けることも大切です。
妊娠してから、手足の露出が多い服を着続ける人はいないと思いますが、寒気を感じるようなら、夏でも温かい格好をするようにして、手足を冷やさないようにすることが大切です。
また、冷房の効いた部屋に長時間いると、体の表面が冷えてしまい、血行が悪くなってしまいます。
真夏は冷房を使わざるを得ないとは思いますが、設定温度に気を付けて、手足を冷やし過ぎないようにすることが大切です。
また、毎日、しっかりとお風呂に入って、身体を芯から温めることも、冷え対策には有効です。
温度の高いお風呂に入ってしまうと、体力を消耗して疲れてしまうので、ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かるようにすると、時間を掛けて身体を芯まで温めることができます。
【対処法③】血行不良改善
妊娠の月数に関係なく、血行不良で寒気を感じやすい人の場合には、全身の血行を良くすることも対処法として大切になってきます。
全身の血行不良になってしまう一番の原因は運動不足です。身体を動かさないことで、筋肉が硬くなり、身体の血の巡りが悪くなってしまい、手足が冷えてしまうのです。
とはいっても、妊娠中に激しい運動をすることは流産の危険性も高くなるので、もちろんお勧めはできません。
しかし、流産に影響しない妊娠中の適度な運動として、ウォーキングや、家の中の掃除が挙げられます。
自分が歩きやすい適度な速さで歩くことや、家の中をきれいにするために掃除をして、身体を動かすことは、妊娠中でも流産には影響しない、大きな負荷を掛け過ぎずにできる運動としてお勧めです。
ウォーキングには体力を付ける効果もあります。
妊娠の最後に待っている人生で一番体力を使うイベント、出産分娩へ向けて体力をつけるためにも、血行不良を感じている人は今日から歩いてみましょう!!