エンジンオイルの役割
車やバイクの「エンジン」は人間でいう心臓に当たる部分です。そんな重要なエンジン内を巡回するエンジンオイルは、いわば血液!血液がないと心臓が動かないように、エンジンにとってエンジンオイルは必須です!
それだけでなく、エンジンの状態を長く保つためにもエンジンオイルが必要であり、エンジンオイルをいい状態に保つよう管理することが必要不可欠です。
エンジンオイルは、エンジン内部品同士の金属摩擦を抑えてスムーズに動かす働き・エンジン内のピストン部分隙間を密封してガスが抜けるのを防ぐ働き・エンジン内の熱を吸収してオーバーヒートを防ぐ働き・エンジン内を洗浄し清潔に保つ働きがあります。
逆を言うと、エンジンオイルの状態や品質が悪いとエンジンの作動停止・ガス抜け・オーバーヒート・劣化破損に繋がると言うことです!いかにエンジンオイルが大切か、わかっていただけましたか?
エンジンオイルの種類
エンジンオイルは、ベースとなる油(ベースオイル)に添加物を加えて作られています。そして、このベースオイルの違いによって3種類に分類されています。
添加物は、ベースオイルよりも劣化が早く蒸発しやすいという性質があります。その為、ベースオイルの種類がエンジンオイルの性能に大きく関わっているのです。
違いを知っておくと、エンジンオイルを選びやすくなりますよ!わかりやすく解説していきますね♪
①化学合成油
シンセティックとも言います。鉱物油を化学分解して合成した、潤滑に最適なオイルです。高度な技術を使用して、可能な限り不純物を取り除いているため高性能です。また、エンジン洗浄と車環境を考えた添加剤を合成されるため、非常に良質なオイルです。
耐熱性の高さと寒い時期のエンジン始動性の良さも特徴です。高価なため経済的に負担がかかりますが、成分や分子量が一定なのでエンジンのことを考えるとベストな選択です。とはいえ、一般的な使用用途の車やバイクでは、普及率は低いです。
サーキットで走行する方や、スポーツバイクの性能を存分に発揮したい方、車のことを考えた選択をしたい方は化学合成油を選びましょう。
②部分合成油
セミシンセティック、パートシンセティック、シンセティックブレンドとも呼ばれます。鉱物油に化学合成油を20〜30パーセント配合し、化学合成油の性能と鉱物油のコストパフォーマンス、両方の利点を活かしたオイルです。
化学合成油と比較してずいぶん経済的ですが、性能では劣ります。具体的には、耐熱性と寒い時期のエンジン始動性が落ち、エンジンの劣化が早まります。
価格面と性能面のバランスをとったオイルです。普段は街乗りのみだけど、たまにツーリングに行くような方におすすめです。
③鉱物油
ミネラルとも呼ばれます。原油から不純物を取り除き精製されたオイルです。他のオイルに比べて価格が安く、現在もっとも普及しているエンジンオイルの種類です。
成分や分子量がバラバラで組成が破壊されやすい作りになっています。また、揮発性が高い・酸化しやすいなどの問題もありますが、一般的な使用では問題のない品質が確保されています。
高い品質よりも価格を重視したい場合に選びたいオイルで、通勤などの街乗り中心の方は鉱物油でも充分です。
また、旧車などの場合、最新のオイルの強い洗浄能力や添加されている化学物質を想定した作りでないため、オイルが漏れるなどの影響もあり、鉱物油が推奨されることも。
バイクと軽自動車のエンジンオイルは同じ?エンジンオイルの正しい選び方
車に比べてバイクのエンジンは、パーツが高速で動きます。そのため摩擦熱が高くなり、擦れ合ったときのダメージも大きいです。また、バイクのエンジンオイルは、エンジンとトランスミッション、クラッチ類の潤滑を全て担うのに対し、車はパワーを生み出すエンジンのみです。
そのため、それぞれの特性に合わせて「自動車用オイル」と「バイク用オイル」の別々のオイルが作られています。二輪車専用オイルは、バイク用エンジンの特性を考え抜いて開発された高性能なオイルです。
そのため、車用のオイルをバイクに、バイク用のオイルを車に使用することはおすすめできません。問題なく使用できる場合もありますが、車種によります。求められる性能にあったオイルを使用するのが良いと言うことですね!
①粘度
エンジンオイルには粘度の違いがあります。エンジンオイルをよく見ると、「5W-20」「10W-30」などの表記がありますよね。この数値はオイルの粘度を表しているんです。
左側のWはWinterの頭文字で低温時の粘度を、右側の数字は高温時の粘度を表わしています。これは使用できる粘度を保てる気温の範囲で、車種によって違います。
粘度の合わないものを使用すると、寒さで固まり熱差でサラサラと粘り気がなくなってしまう恐れがあります。それではエンジンオイルとしての役割を果たしてくれません。メーカー推奨の粘度のものを選ぶのが無難ですね。
②オイルの種類
エンジンオイルには、基本的に「ガソリンエンジンオイル」と「ディーゼルエンジンオイル」、「ユニバーサルオイル」の3種類があります。
ディーゼルエンジンは燃料に軽油を使用しますが、軽油の中には燃焼すると酸となる成分があります。酸はエンジン内部を腐食させていってしまうので、中和する必要があります。そのため、ディーゼルエンジンオイルには特別な添加物を使用しています。
ディーゼルエンジンオイルをガソリン車に使用しても問題はありませんが、ガソリンエンジンオイルをディーゼル車に使用することはおすすめできません。酸を中和するのに必要な添加物が入っていないためです。
ユニバーサルオイルは、ガソリン車・ディーゼル車のどちらでも使用できるオイルです。
バイクにはディーゼルエンジンのものはほとんどありませんが、バイクには「2ストロークガソリンエンジン」と「4ストロークガソリンエンジン」の2種類があり、それぞれ専用のオイルしか適応しません。バイクのエンジンオイルを選ぶときはその点を確認しましょう。