派遣社員で働くという選択肢
様々な雇用方法がある中で年々需要があがりつつあるのが派遣社員。
派遣社員は正社員や契約社員とはまた違った雇用方法で働き方も違います。
- 「派遣社員で働きたいけどどんな仕事かわからない」
- 「やっぱり派遣社員より正社員の方が安定していて楽なんじゃない?」
と思う人も多いのではないでしょうか。
正規雇用ではないことでデメリットが多いイメージの強い派遣社員ですが、派遣社員として働くことによって得られるメリットもたくさんあります。
今回は派遣社員とはどんな働き方なのか、メリットやデメリットもあわせてご紹介します。
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そもそも派遣社員ってどんな働き方?
まずは、派遣社員とはどういったものなのかご紹介します。
選ぶ職業や派遣会社によっても異なってくる部分もありますが、派遣社員といっても基本的なシステムはどこも同じです。
派遣会社に登録して企業に勤める
派遣社員として働くためにはまず、派遣会社に登録するのが必須です。
派遣会社は大小含めてもかなりの数があり、女性向けの求人の多い会社や事務系の仕事が多い会社など派遣会社によっても特色があります。
派遣会社に登録するにはまず、その派遣会社に行かなくてはいけないので来社予約をします。
自分のプロフィールや希望する職種などを簡単に入力した後派遣会社に行く日時を決めて来社します。
そこで面談やスキルチェックなどをした後に派遣会社の担当者から自分にあった企業を提案してもらって実際に働く会社を選ぶという流れが基本です。
最近では直接来社せずにスマホやPCのカメラ機能を使って面談ができる会社もあります。
企業の人手不足を補う役割
派遣社員の主な役割は「働く企業の人手不足を補う」ということです。
例えば、短期間だけ人手が必要、新しい事業を始めるために人手が必要など何かしらの理由で企業に人手不足ができてしまった場合に正社員の募集や面接をしても契約や処理などで間に合わないこともあります。
それを補い、助けるために派遣という働き方があります。
派遣社員として働くにも種類がある
派遣社員と聞くと短期間だけ働くもの、長く働くことが難しいものと考える人もいるかも知れませんがそうではありません。
派遣の中にもいくつか種類があり、それによって働き方も異なります。
- 長期派遣・・・企業に3ヶ月以上働く前提で雇用される派遣
- 短期派遣・・・3ヶ月以内の勤務で雇用される派遣
- 紹介予定派遣・・・半年〜1年後に正社員として雇用する前提の派遣
などが主な派遣の種類です。
他に常用型派遣があり、有期契約である長期・短期紹介予定派遣と違い、常用型派遣は雇用期間を定めない無期での雇用契約となります。
派遣会社によっては派遣社員だけでなく、正社員や契約社員としての求人もあるので自分が一番働きたいと思えるものを選べます。
派遣社員は契約社員や正社員と何が違うの?
では、派遣社員は契約社員や正社員の人と何が違うのでしょうか。
いくつかある中でも決定的に違うものをいくつかご紹介します。
同じ職場で働ける期間は原則3年
派遣社員は長く働くことができない、と聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
派遣社員は法律で同じ職場で働くのは最長3年という決まりがあるため、どんなに相性が良い企業でも長くて3年間しか働けません。
同じ企業で3年以上働くとなると企業から正社員や契約社員として雇ってもらわなくてはなりません。
契約社員もまた期間を決めて更新をしながら働きますが、3年などの縛りはないので契約が更新される限りその企業に勤めることができます。
ただし、無期雇用派遣はこれに当てはまらず、無期での契約期間となります。
自分らしく自由に働ける
例えば、転勤をしたくない、子供がいるから定時で帰宅したいなど自分の理想や願望があると思います。
正社員や契約社員で働いた場合ある程度は融通がきいたとしても転勤や毎日の定時帰宅、休日出勤などを完全に避けることはできません。
ですが、派遣社員は予め契約内容が決まっているため、その契約内容と違ったことをやるように言われたり強制されることがありません。
また、派遣社員が長時間残業すると企業側が仕払う賃金も高くなってしまいますし、あまりに残業時間が長くなると派遣会社から注意がくることもあるため残業を推奨する企業が少ないです。
就業先企業と直接契約しているわけではない
派遣社員は働く場所は派遣された企業ですが契約をしているのは派遣会社なので、実際に働いている企業と契約しているわけではありません。
正社員や契約社員は企業と直接契約を交わして働きますが、派遣社員は派遣会社と企業が契約した中で働きに行くだけなので自分自身と企業には契約がありません。
そのためお給料も努めている企業からではなく、派遣会社から支払われます。
年末調整や健康診断なども同様に派遣会社から行うことになります。
派遣社員で働くメリット
派遣会社で働くことのメリットはどんなものがあるのでしょうか。
正社員や契約社員ではなかなか叶わないようなことも派遣社員であれば叶います。
クレームは派遣会社を通して伝えられる
上司と相性が悪い、仕事が多すぎて辛い、セクハラがあるなど会社に改善してもらいたい、どうにかしてもらいたいと思うことを直接言わなくていいのが派遣社員の良いところです。
派遣社員が「こうしてほしい」「これがつらい」と思うことは全て派遣会社の担当者に話すのがルールになっています。
そのため、自分で直接言うのは嫌、どう話せばいいのかわからないという人でも自分の気持ちを担当者に伝えればそれを派遣先の上司に伝えてくれます。
働いている企業に直接クレームを入れるのは基本的にはNGでトラブルの元になります。
自分に合った仕事を見つけられる
派遣会社には様々な業種の求人がたくさんあるので自分に本当に合った仕事を見つけやすいです。
自分でどんな仕事が合うかわからないという人でも担当者が条件や性格、スキルなどで相性の良さそうな企業を提案してくれるので安心です。
漠然と自分で求人を眺めて探すよりも候補がいくつかある中から選ぶことができるので時短にもなりますし、本当に働きたいと思える企業を見つけられます。
大手企業に勤められる可能性がある
派遣会社に人材を依頼している会社の中には誰もが知っている有名企業もたくさんあります。
IT系や老舗企業、一部上場企業など、普通ではなかなか働くことが難しい会社などで派遣社員として働けます。
いずれは正社員として大手企業で働きたい、スキルアップしたいという人という人にもおすすめです。
正社員や契約社員ではなく派遣社員として働くので忙しい大手企業であったとしても残業が少なかったり、勤務時間の融通がきくなど直接雇用されていると難しいようなことも叶う可能性があります。
合わないと思った時に辞めやすい
実際に働いてみて「思っていたのと違う」「このまま働くのは無理」と思ってしまうこともあるかもしれません。
派遣社員は3ヶ月ごとに契約更新の有無を確認してくれることが多いため、もし契約更新を確認された際に辞めたいと思ったらその旨を担当者に伝えれば契約が終了になります。
派遣会社からすると企業側が更新と言っていれば何とかして働き続けてもらおうとしますが、強制することはできませんので最終的には辞められます。
ですが、何度も同じような理由で短期間で契約を終了してしまうとブラックリストに載ってしまい、紹介してもらえなくなる可能性があるので注意してください。
派遣社員で働くデメリット
派遣社員として働くデメリットにはどんなものがあるのでしょうか。
非正規雇用または派遣社員ならではのデメリットがあるのでご紹介します。
時給制なので収入が不安定
派遣社員は基本的に時給制で月給制の派遣社員というのはほとんどありません。
そのため、祝日の多い月や年末年始、GWなどはどうしても収入が減ります。
収入が少ない月であったとしても年金や税金が減額されることもありません。
また、企業によっては派遣社員が残業することをよく思わない、残業をさせないようにすることもあるので最初に契約した勤務時間しか働けない場合もあります。
仕事がすぐに見つかるとは限らない
派遣会社に登録に行った際にすぐに企業を提案してくれる場合もあれば、条件が満たないことから1つも紹介してもらえないということもあります。
また、紹介してくれた企業で必ずしも働けるという保証もないため選んだ企業がダメだった場合また最初から探し直さなくてはいけません。
派遣会社に登録すれば直ぐに仕事が見つかる!と期待している人も多いでしょうが、実際は自分のスキルや条件が求人を出している企業の条件に当てはまらなければ紹介はしてもらえません。
時給が上がったり、ボーナスがもらえることはない
正社員や契約社員であれば年に2回のボーナスや昇給などがありますが、派遣社員にはありません。
派遣社員は基本的にはどんなに頑張っていても時給が上がることはありませんし、ボーナスを支給されるということもありません。
派遣先企業によっては昇給制度を取り入れていることもありますが、その反面条件が満たされなければ減給になってしまうこともあります。
契約更新してもらえるか毎回不安になる
派遣社員は必ずしも3年間その企業で働ける保証があるわけではないので企業側がもう必要ないと思えば契約は更新されることなく終了します。
契約を更新されない際の理由としては、業務が終了した、派遣社員の言動や行動に問題があった、仕事のミスが多い、他の会社の人間と相性が悪いなど様々ありますが基本的にその理由を明確に提示されることはありません。
そのため、
- 「ミスが多かったから更新してもらえないかも」
- 「次の更新は大丈夫だろうか」
と契約更新月が近付いてくると不安になってしまう人が非常に多いです。
派遣社員として働くまでの流れ
派遣社員として勤務するまでどのようになっているのでしょうか。
ここでは、派遣社員として働くための流れについて紹介していきます。
派遣会社へ応募
大体の派遣会社は派遣会社のWebサイトから登録を行い、その後派遣会社から登録の流れについての連絡が電話やメールが届きます。届いた案内に従って登録・説明会に参加します。
登録・説明会
派遣会社の登録会又は説明会は、基本的に完全予約制となっています。
また、登録会・説明会は平日だけでなく土日や夕方でも行っていますので、参加するハードルは高くはありません。
加えて、昨今の状況に伴いオンライン完結の登録が可能な派遣会社も多くなり、わざわざ現地に向かう必要性も下がりました。
登録・説明会では派遣会社から
- 仕事までの流れ
- 給与の取得について
- 働く上でのルール・規則
また、事前にWeb登録時に経歴などを入力できますので、よりスムーズに登録が行なえます。
この流れで、大体1〜3時間ほどで説明会と登録が完了します。
服装はオフィスカジュアルやスーツ
私服での参加は可能ではありますが、スーツかオフィスカジュアルでの参加が無難です。
派遣先が受付業務や事務などのオフィス系のお仕事や、スーツまたはオフィスカジュアルと定められている派遣先での就業を踏まえて、この段階で準備しておきましょう。
テレワークでの就業することもあるので、これを意識してオンライン上での面談でもスーツ・オフィスカジュアルで望みましょう。
また、どこでも言えることですが、清潔感に欠ける状態や、ラフすぎる格好はNGです。
スキルチェック
提出したスキル・経歴の確認に加えて、スキルチェックがあります。
事務などパソコンを扱う職種の就業も踏まえて、タイピングの速さなどの基本的なPCスキルを計測。
また、オフィスワーク系でExcelやWordなどのOffice系も駆使するためOffice系のスキルの確認も行います。
上記以外に加えて、
- 一般常識・ビジネスマナー
- 英語・経理やIT・デザインなどの専門スキル
これら個人のスキルを確認するのは、派遣会社が今後どの仕事にマッチしているかを参考にするためです。
客観的なスキル感を確かめるチャンスでもあるので、必ず受けましょう。
担当者と面談
そして派遣会社の担当の方と、提出した経歴・スキルと、スキルチェックをもとに、面談を行います。
書面上からわからない・判断がつきにくいことをヒアリングされます。
その際に経緯や質問事項・仕事をする上で必要なことを話し、担当の方と擦り合わせを行いましょう。
そこで、その人自信の仕事感や人柄を伝えられるため、今後派遣先とのフォローがより円滑になります。
ですので、虚偽や無愛想な態度を取らないようにするのはもちろん、人柄を見ている派遣会社や派遣先もありますので、足りないスキルを人柄でカバーするためでもあります。
また、派遣先などの都合が合えば、紹介してくれることもあります。
これで、派遣会社の登録は完了となります。
派遣会社内にて選考
案件に応募したらすぐに働ける、という訳ではありません。
まず、案件に対し複数応募者で派遣会社内の社内選考があります。
社内選考が通ったら次は派遣先と「顔合わせ」に移ります。
社内選考が通らないことも考えて、応募先は複数あると良いです。
就業先との顔合わせ・選考
社内選考をパスできれば、就業先との顔合わせ(または会社見学とも)です。
担当者またはコーディネーターと、就業先の方との面談を行います。
流れとしては会社によっては違うところがありますが、
- 挨拶
- 会社や業務内容についての説明
- 自己紹介(スキルや業務経験などの説明も含む)
- 質疑応答
顔合わせといっても実質的に企業との打ち合わせです。
だらしない格好や、いい加減な態度で臨むのはもっての外です。
スーツ・オフィスカジュアル(オフィスカジュアル指定またはオフィスカジュアル可の就業先の場合)など就業先に合わせた格好と、ビジネスマナーに気をつけて顔合わせに臨みましょう。
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まとめ
派遣社員という働き方は企業にとっても自分にとってもメリットがたくさんある働き方です。
未経験でも大丈夫という企業も多いので新しく仕事を始めたい、ブランクが有るけどまた働きたいという人の手助けもしてくれます。
正社員や契約社員に比べると安定性はないので金銭的にも生活的にも不安になることもあるかもしれませんが、自分にできることをしっかりとやっていれば働き続けることができます。
これから新しいことを始めてみたいという人も自分がよりよく働くための手段の1つとして派遣社員で働くことを検討してみてはいかがでしょうか。
出典:https://unsplash.com/photos/qCi_MzVODoU