ワークライフバランスとは？
近年、「ワークライフバランス」という言葉をよく耳にすると思います。仕事と生活のバランスを考えることで、自分の人生をより豊かなものにすることができます。
昔に比べると、現代は男性も女性も働くのが当たり前になり、働き方や生活は人それぞれ多様化しています。特に女性は結婚や出産などライフイベントもあるため、そういったタイミングで適切に会社の制度を利用できる環境であることも大切です。
自分が人生において大切にしたいものは何でしょうか。それを大切にするためには、どんなワークライフバランスが一番最適なのでしょうか。自分の人生を考える上で、一度ワークライフバランスを見直してみませんか？
ワークライフバランスの定義について
政府広報の定義によるとワークライフバランスとは、仕事と育児や学習など仕事以外の生活とのバランス（調和）がしっかり取れている生き方を目指すこととされます。
仕事だけでなく、仕事と生活の両方が充実し、ゆとりを持って生きることで、より仕事への意欲や質が向上することが期待されています。
大事なことは、「仕事のために家庭を犠牲にする」でもなく「生活のために仕事を犠牲にする」でもない、生き方を目指すこととされています。
仕事と生活の調和（ワーク・ライフ・バランス）憲章では、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」と定義されています。
ワークライフバランスの歴史
1980年代後半にアメリカを発祥に定義されたものが「ワーク・ライフ・バランス」です。
このとき、育児をしながらも働きながら社会進出をしたいと考える女性が増え、アメリカの民間企業で、女性をサポートする働きが生まれました。
1990年代には、育児と女性の枠を超え、子供を持たない女性や男性にも生きる上で重要な概念として拡大しました。介護支援や生涯学習支援など様々な視点からの取り組みが増えたとされています。
日本でこの概念が意識され始めたのは、1990年代以降の就労困難や、少子高齢化、男女平等の考えを持つ人が多くなり、「働く」ということへの考え方が多様化しました。
近年では、さらに働き方革命などの取り組みも増え、性別や年齢に問わず、その人にあった生活と仕事のバランスが取れるような働き方に注目が集まっています。
ワークライフインテグレーションとの相違点
ワークライフバランスとは、仕事と生活を別のものと考え、双方の両立を計る概念です。一方、ワークライフインテグレーションとは仕事と生活を統合し双方を充実させるという考え方です。
ワークライフバランスと同じように思われがちですが、両立と統合のという点で、似て異なる概念といえます。
近年では、テレワークや時短勤務などの自由な働き方も増え、より柔軟な勤務形態を実現しようと試みている企業も増えていることから、ワークライフバランスと同様に新しい働き方の概念として少しづつ浸透してきています。
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働く女性のワークライフバランスの大切さ
「仕事もしたいけれど、プライベートも大切にしたい」「バリバリ働いてお金を稼ぎたい」「子供ができても仕事を続けたい」など、人によって働くことへの考え方はそれぞれです。
だからこそ、自分のワークライフバランスを整えることが重要になってきます。自分に合ったワークライフバランスを見つけることでストレスを減らすことができるので、より充実した生活を送ることができるでしょう。
自分らしさを忘れず生きるためにも、自分に合ったワークライフバランスを見つけてみましょう。
健康で豊かな生活が送れる
例えば、「仕事もしたいけれど、プライベートも大事にしたい！」という人にとっては、残業ばかりの仕事では自分の時間が無く、ストレスになってしまいます。
過労やプライベートの時間がとれないことによるストレスで体調を崩してしまうこともあります。
ワークライフバランスを整えることで、仕事もプライベートも充実させることができるので、健康で豊かな生活を送ることができます。
自分らしさを忘れずにいられる
仕事にやりがいを感じており、バリバリ働きたいという人や、仕事もそこそこに自分の時間を大切にしたいという人など、価値観は人それぞれです。
ワークライフバランスが整っていると、どんな価値観の人でもそれぞれ自分の理想の人生を送ることができます。自分らしさを忘れずにいることは、人生においてとても大切なことです。
自分に合ったワークライフバランスを保つことで、自分を取り巻く環境が変化していったとしても、自分の価値観を大切にしながら働くことができます。
ワークライフバランスのため企業が実践していること
ワークライフバランスを実現させるためには、働く側だけの努力では難しい部分があります。近年では、ワークライフバランスを実現するために、企業側でも様々な取り組みが行われています。
短時間勤務制度
ワークライフバランスの浸透により、以前は労働者がフルタイム勤務で働くのが当たり前の時代でしたが、近年では、短時間勤務制度が導入される会社も増えてきています。
これにより育児や介護などの家庭や健康上の事情などにより、フルタイムでは就労が困難な人でも就労が可能となりました。
在宅勤務（テレワーク）の導入
在宅勤務（テレワーク）も、ワークライフバランスを実現するため、近年導入されてきている制度です。
特に新型コロナウィルス流行以降には、テレワークの導入が政府から促されたこともあり、テレワークが実現できるインフラが整った会社も増加しました。
このことによりテレワークでの会議や就労がより普及した傾向にあるようです。
フレックスタイム制度
ワークライフバランスを実現する取り組みとして、フレックスタイム制度の導入もよく耳にするのではないでしょうか。
始業と終業の時間を企業が側が決めるのではなく、社員が自分で決めることができます。とはいえ自由な時間にいつ出勤しても良いということではなく、コアタイムという必ず就業しなければならない時間帯があり、ある程度の縛りは存在します。
育児休暇
育児休暇も、ワークライフバランスの実現を目指し、企業が力を入れている取り組みの1つでしょう。
近年では、育児休暇を長期的に取れる企業や、女性だけでなく男性の育児休暇取得を促す取り組みをする企業も増えました。
これにより、今まで以上に男性が育児に参加できる環境になり、子供の成長を見守ったり、男性が家事を手伝うなど、仕事と家庭のバランスを取れる働き方ができるようになりました。
これに合わせ、職場へ復帰した際に、居場所やキャリアを失うなどがないよう企業側が配慮することの大切さも訴えられています。
理想のワークライフバランスとは？自分の価値観を見直そう
「ワークライフバランス」と聞くと、どうしても残業時間を減らすだとか、休みをとりやすい環境だとか、プライベートを確保するということに対して重きを置いているイメージがあるかと思いますが、それだけではありません。
あくまでも大事なのは「バランス」であり、その考え方は人それぞれです。自分の価値観を改めて見直して、自分が大切にしたいものを考えてみましょう。
大切にしたいのはキャリア？プライベート？
自分が生きる上で大切にしたいのは何かを考えてみましょう。
自分が好きなことをする時間が一番大切だという人は「プライベート」重視で自分の働き方を見直す必要がありますし、仕事を頑張って自分のスキルを磨きたいという人は「キャリア」重視で自分の生活を見直してみましょう。
自分が大切にしたいことをもう一度考えることが大切です。
将来どんな生活を送りたいか
どんな人にも少なからず「将来はこういう生活をして生きていきたい」という理想があると思います。
それを叶えるために今から何ができるのかを考えると、自分に合ったワークライフバランスを見つけやすくなります。
「働きつつも家庭を守るために家事や育児も頑張りたい」、「今後やりたいことのために今の仕事を頑張ってスキルを磨きたい」など、理想の将来は人それぞれです。
将来に目を向けてみて、そこから逆算して考えていくようなイメージです。
自分の心と身体の声を聞く
自分がどうしたいのかを重視したワークライフバランスの考え方をお伝えしましたが、何より大切なのは自分の心と身体の声を聞いてあげることです。
どんなに頑張りたいと思っていても、明らかに無理をしてしまってい身体に不調が現れてしまっている場合は、ワークライフバランスが自分に合っていない可能性があります。
どんな生活を送るためにも、自分の心と身体の健康が第一です。自分の無理のない範囲で頑張れるバランスを見つけましょう。
ワークライフバランスを見直すときのポイント
ワークライフバランスの見直しが必要かどうかを考える場合は、「今」にフォーカスして自分自身の生活を見直してみることが大切です。
忙しい毎日を送っていると、自分に合ったワークライフバランスを考える時間を取れずに後回しにしてしまいがちです。
以下のポイントを参考に、一度立ち止まって自分の今の生活を見直してみましょう。
今の生活に満足しているか
今の生活にちゃんと満足できていますか？「正直不満があるけれど、しょうがない…」と無意識に諦めてしまっている人もいるかもしれません。
でも一度きりしかない人生で、自分の理想の人生を諦めてしまうのは、とてももったいないことです。
ワークライフバランスを見直すことで、自分が「本当はこうしたい」と思っていることを少しでも叶えることができるかもしれません。
「どうせ無理だ」と思わずに、一度自分の人生をゆっくり考えてみましょう。
体調を崩していないか
ストレスは現代社会において一番の大敵です。本当はこうしたいという気持ちがあるのに、そんな自分を抑えて頑張りすぎてしまうと、ストレスがどんどん溜まって体調を崩すことにも繋がりかねません。
身体からのSOSをしっかり受け取って、本当は自分がどうしたいのかをもう一度考えてあげましょう。自分にとって最適な環境を見つけるためにも、ワークライフバランスの見直しが大切です。
ワークライフバランスを整えられる制度があるか
自分に合ったワークライフバランスが見つかっても、今の会社や部署では制度が整っていない、もしくは制度自体はあっても取得しづらい…という人もいるでしょう。
近年はワークライフバランスの実現を目指し、様々な制度の導入などに力を入れている企業も増えています。
自分のワークライフバランスを整えるために、そういった企業に転職を考えたり、部署を異動させてもらうというのも1つの方法です。
環境を変えることで、自分に合ったワークライフバランスを叶えることが可能になるかもしれません。
まとめ
ワークライフバランスは、豊かな人生を送るためにとても大切なものです。ワークライフバランスが崩れると、ストレスから体調を崩してしまうことも少なくありません。
自分が大切にしたいものはキャリアなのかプライベートなのか。女性も当たり前のように働くようになった今、価値観は多様化しています。
どんなライフイベントがあっても、自分らしく働けることは人生においてとても重要なことです。
最近はかなりワークライフバランスの考え方が重視されており、制度を整えている企業も増えています。自分の理想のワークライフバランスを叶えるために環境を変えてみても良いでしょう。
自分に合ったワークライフバランスを見つけることで、健康で充実した、自分らしい生活を送ることができます。今の生活を一度見直して、自分にとって最も最適なワークライフバランスを考えてみませんか？
