実は、この丑の刻参りは1日にしてならず、7日間もしなければなりません。
7日間、誰にも見られずに丑の刻参りができると、憎んでいた相手が、五寸釘を打った場所を怪我したり、病気になったり、死んでしまったりします。
この丑の刻参りで有名なのが京都にある貴船神社です。
縁結びとしても大変有名な神社ですが、丑の刻参りが有名になるきっかけにもなった「宇治の橋姫」の舞台でもあり、今でも五寸釘で打たれた藁人形があるそうですよ。
【雑学:丑三つ時】丑の刻参りを見ると…
丑の刻参りというのはそれだけでもとても怖差を感じる呪術ですが、実は人がこの丑の刻参りをしているのをみられてしまうと、とても恐ろしいことがあると言われています。
自分が丑の刻参りをしているところを誰かに見られてしまった場合、その呪いが自分に跳ね返ってくると言われているからです。
もし、その人が相手のことを殺したいほど憎んでいたのであれば、その呪いの力はかなりのものでしょう。
人を呪わば穴二つという言葉の通りですね。見られてしまうことが死を意味するかもしれません。
ですから、丑の刻参りをする人は何時も誰にも見られないようにと気を張っている必要があります。
また、丑の刻参りを見てしまった人もかなり危険です。
というのも、丑の刻参りをしている人は自分の願いをかなえるためには人に見られてはならず、もし人にその姿を見られてしまった場合にはその人を殺さなければならないとも言われているからです。
ただ見てしまっただけなのに命に危険が及ぶなんて嫌ですよね。
もし丑の刻参りをしている人を見てしまったら、安全のためにも見なかったことにして早々にその場を立ち去るのが正解でしょう。
【雑学:丑三つ時】草木も眠る丑三つ時の物語
丑三つ時は人々にとても怖がられていたことから、その物語も多く紡がれてきました。
例えば、あの有名な百鬼夜行も、この丑三つ時の時に見られたとされています。
ある人が愛人のもとからそそくさと帰ろうとして居た時に、それがちょうど丑三つ時で、鬼や幽霊の大群が来るのを見て陰で震えていたという物語です。
また、丑の刻参りのもととなった宇治の橋姫も丑三つ時を有名にするきっかけとなりました。
宇治の橋姫は夫をとられてしまった憎しみや悲しみから鬼になってしまうという物語で、安倍晴明が活躍する話として今でも能などの舞台で上演されています。
【おわりに】
以上「丑三つ時の意味とは?何時なの?幽霊がよく出る時間帯?」でした。
丑三つ時が何時なのか、その意味や由来を知ると意外な発見がありましたね。
今では丑三つ時も煌々と明るい現代ですが、まだまだ地方には「草木も眠る」ということを実感できそうなところがありそうですね。