ニシンそばは京都が発祥なだけに、京都の年越しそばの具は身欠きニシンが定番。山に囲まれた盆地の京都は、今ほど交通が整備されていなかった頃は新鮮な海の幸に恵まれず、魚の干物が重要なタンパク源だったことが「ニシンそば」誕生の理由と言われています。
年越しそばのニシンは”二親”とかけて、家内安全や子孫繁栄に由来しているようです。
玉子
その他の具だと、卵焼きや伊達巻、月見そばなどの玉子系。こちらは玉子の黄色が金運に通じているという理由があるようです。
海老
海老は加熱すると背が曲がるので「腰が曲がるまで長生きできますように」という縁起担ぎの意味があります。
殻付きえびだと鮮やかで目も楽しいですし、そばの具としては海老天やえびかき揚げが定番ですね。
ネギ
薬味に使われるネギは「労らう」あるいは「祢宜」の語呂合わせのようです。
縁起物でなければみょうがや、あるいは柚子胡椒などの香辛料と合わせてもおいしいです。
年越しそばの作り方
まずそばですが、大きめの鍋に十分な量の水を入れます。茹でるそばの分量にもよりますが、2リットル以上あるとよいです。沸騰したお湯で3~4分茹でたら、そばを取り出し、水洗いします。冷水で冷やしますが、氷水で締めるとよりよいです。
生麺の場合は沸騰したお湯に麺を入れて沸き立ったときに差し水をします。差し水をしてもう一度沸き立ったらそばを取り出します。茹で時間は1分程度です。
お気に入りのお蕎麦屋さんがある方は、大晦日に麺だけ持ち帰りさせてもらえるか尋ねてみてください。大晦日だけは麺のテイクアウトに対応してくれるお蕎麦屋さんもあります。テイクアウト対応であれば予約しておきましょう。
また、そばをつけ汁で食べる場合は市販のめんつゆでも充分ですが、「返し」からつゆを自作することもできます。
本返しの作り方としては、まずは本みりんを強火にかけ、アルコールが飛んだら弱火にして砂糖を入れます。鍋底に焦げ付かないようにかき混ぜながら砂糖を煮溶かし、溶けきったところで醤油を入れます。引き続き弱火で加熱し、10分ほど煮込んだら火を止めて粗熱を取ります。そして容器に移して冷蔵庫で2週間ほど寝かせたら完成です。
分量の目安しては、醤油:本みりん:砂糖=6:1:1程度で、使用する各材料やお好みによって変動しますので調整してみてください。
本返しの作り方をご紹介しましたが、生返しというのも存在します。生返しは本返しと違い加熱せずに作ります。本返しに、返し:出汁=1:7程度で出汁を加えればめんつゆが出来上がります。
縁起のいい年越しそばでよい年越しを
年越しそばの由来や慣習に合わせるのもよいですが、現代では多様化しており、慣習を理解しつつも個人のライフスタイルに合わせて食べる人もおおいです。
縁起のいいものを食べて、よい年越しを迎えてください。
年末年始についてもっと知りたいアナタはこちら
- 1
- 2