変わってビジネス以外でのカジュアルな文面ではどのような表現があるのでしょうか。ビジネス用で使用するかしこまった言い回しの漢語調に対して、少し崩した言い回しの表現を口語調と言います。
それでは口語調での言い回しを実例を交えて見ていきましょう。
11月上旬から中旬の場合
謹啓(頭語)
かえでは紅、いちょうは黄金、はなやかな錦の秋となりました。(時候の挨拶)
近頃も何かとご多忙と承っておりますが、ご健康にはお気をつけください。日頃のご贔屓を、とても感謝しております。(相手の安否を気遣う挨拶、日頃の感謝)
(主文)
これからますます寒い時季が続くことと思いますが、これからもご健康にはお気をつけてお過ごしください。(結び)
謹白(結語)
口語調の文章は相手側が身近な人物である場合が多いです。その場合、結びの言葉として相手を最後に気にかけているという気遣いの言葉を添えてあげるとベストです。
教育実習のお礼状
教育実習などのお礼状など場合は漢語調のようにかしこまる必要はありません。丁寧な言葉遣いの口語調で感謝を伝えましょう。当時の場所や出来事など特有のキーワードを織り交ぜて書くと、より温もりを感じれる文章になります。
11月中旬から下旬の場合
謹呈(頭語)
落ち葉たきがなつかしい頃となりました。(時候の挨拶)
あなた様におかれましても、ご健康のことと承っております。おかげさまで私どもも皆、健康に過ごしております。日頃からのご配慮のほどお礼申し上げます。(相手の安否を気遣う挨拶、日頃の感謝)
(主文)
秋が深まり朝晩もますます冷え込んで参ります。くれぐれもご自愛ください(結び)
謹白(結語)
11月も後半になって寒さも本格化してきた時季の文面です。「落ち葉が懐かしい」という表現を入れることで秋が過ぎてだいぶ経つという季節感を感じることができます。
喪中はがき
喪中はがきはこの期間特有です。普段喪中はがきというものには馴染みがないためイマイチ表現のマナーがわからない人も多いかと思います。
喪中はがきに関しては頭語、時候の挨拶の前文を省略して書きます。
その他、句読点や行間の1字下げを行わない、年賀欠礼以外のことを書かない、文字は薄墨色で楷書体、明朝体を使用し、華美なデザインは避けます。通常はがきの場合は「胡蝶蘭」、切手の場合なら「弔事用63円普通切手花文様」を利用します。
喪中ハガキは細々としたルールが存在しています。喪中はがきを出す際にはそのルールをしっかりと理解した上で届けるようにしてください。
11月の時候・季節の挨拶と結びで丁寧で美しい文書に
冬の寒さが本格化し始める時季でもある11月。時候の挨拶や季節の言葉にも秋の終わりや冬の始まりが表現された言葉が多く見られます。この季節の変わり目の時季に季節の移ろいを表現した素敵な日本語と触れ合い、ぜひ届けてみましょう。
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