アラブ人の名前の特徴!自分の名前が3つある!?
突然ですが、みなさん自分の名前はいくつ持っていますか?
もちろん日本人の方は一つに決まっていますよね。日本人にとっては当たり前の常識でも、海の向こうには名前について全く違った文化を持つ国があって、その一つがアラブ人です。
日本人の方は驚くかもしれませんが、アラブ人は人生で3つ、自分の名前を持つことで知られています。今回は、そんな日本人にとってはあまり馴染みのない、アラブ人の名前についての常識やルールについてご紹介します。
とても面白いルールなので、知っておくときっとどこかで話のタネになったり、物知りな人だと思われるはず!それではご覧ください。
①自分の本名
まずはじめにアラブ人が持つのは、両親に与えられるファースト・ネームです。これは日本人でも同じですよね。もちろん自分だけのオリジナルの名前が付けられます。
実はアラブの世界の常識として、自らのファースト・ネームを名乗ることはほとんどありません。ではどうするかというと、「私は〇〇の息子(娘)です」と、親の名前を使って自己紹介をするんです。日本では、日常的にはあまりないことですよね。
なぜかというとアラブの国々では、家族の繋がりが非常に重んじられているからです。家族の名前を合わせて紹介することによって、相手に安心感を与えることができます。
そのため、相手の身分を尋ねるときも「あなたは誰ですか?」という聞き方ではなく、「あなたはどの家庭の方ですか?」ということを一番に尋ねます。
②〇〇の子供を表す名前
先述したように、アラブでは自分のファースト・ネームは日常的にはあまり意味を持たず、自分の名前に父親か母親の名前を加えるのが一般的。
例えば「ハサン・イブン・アーメド」という男性の名前だった場合、「ハサン」が本名、「イブン」が「〇〇の息子」という意味、「アーメド」が父親の名前を指しています。
これが女性の名前だった場合には「イブン」の代わりに娘を意味する 「ベント」を付けます。日本とは全く違った名前の付け方ですよね!
③〇〇の親であることを表す名前
そしてさらに、アラブの人たちは子供が産まれると名前が変わるんです。
母親になる人には「オムー+子供の名前」が、父親になる人には「アブー+子供の名前」がそれぞれ与えられます。
コロコロと名前が変わって、覚えづらいような気もしますが、とにかく家族の絆を大切にして生きるアラブ人たちは、名前というものに対して日本人は持っていない感覚を持っていることがお分かりいただけたでしょうか。
アラブ人の男性に人気の名前5選!
それではアラブ人の名前を具体的に見ていきましょう。
まずは男性に人気の名前から、どうぞ!
①ムハンマド
まず一番人気と言っていいのが「ムハンマド」です。アラビア語では「مُحَمَّد」と記載します。「称賛された」や「讃えられる」、「称賛に値する」という意味を持った名前です。
アラブ人が登場する映画などでも用いられるので、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?アラブ人の名前といったらこれ!という、代表的な名前です。
②ユーセフ
次にご紹介するのは「ユーセフ」という名前です。アラビア語では「يُوسُف」と記載し、発音は「Yuusuf」または「Yusuf」となります。
意味は、ヤコブの息子であり、イスラームの預言者であるユーセフの名前からきています。父の溺愛を受けたことをを妬んだ彼の兄弟たちの手によって、井戸に投げ捨てられたという生い立ちを持つ人物です。
やがて引き上げられた彼はエジプトへと売り飛ばされますが、その後にエジプト王国で要人となった彼の功績にあやかろうという願いの込められた名前です。
③サイード
次にご紹介するのは「サイード」という名前です。アラビア語では「سَعِيد」と記載され、発音は「Saiid」、「Said」、「Saeed」となっています。
この名前には「幸せな、幸福な」という意味があって、幸運に恵まれた人生を送って欲しいという願いが込められています。