記事の目次
- 1.生存バイアスと認知バイアスの違いを探る!
- 2.1.認知バイアスとは?
- 3.2.具体的な事例は?
- 4.- なぜ、認知バイアスが起こるのか?
- 5.3.生存バイアスとは?
- 6.- 現実は違う
- 7.4.生存バイアスって、雑学なの?
- 8.- 親が子どもに無理強いするのも生存バイアス?
- 9.5.徳川家康と生存バイアスのつながり
- 10.- 石田三成は生存バイアスによって、悪者に?
- 11.6.生存バイアスを生活にどう活かすか?
- 12.- 生存バイアスを元に宝くじを買う
- 13.- 生存バイアスと的確な情報の違い
- 14.- スマホにも生存バイアスが!?
- 15.- Android製品もそこそこいい
- 16.7.googleの検索結果と生存バイアス
- 17.- 生存バイアスに惑わされない検索方法とは!?
- 18.まとめ
例えば、「起業すれば、会社員時代より儲かる」という広告があったとします。今まで会社を起こした経験のない人は、自分の所属する会社の社長を想像して、たしかに起業すれば、自分が社長になるのだから、年収は何倍にもアップするだろうと考えます。
しかし、実際に起業した会社が軌道に乗っているのは、わずか20パーセントほどです。
残りの80パーセントは、前より借金を抱えて倒産しています。
そして、1パーセントがアップルやマイクロソフトのように世界的に有名な企業となっています。
要するに、確率論で言えば起業して、大成功する確率は1パーセントにすぎません。
また、書店やオンラインショップを見れば、起業で成功したとか、FXで大儲けとかいう本が溢れています。
ところが、これは生存バイアス、つまり成功した人だけが執筆できる特権です。その他の大勢の人は、損をしているのです。
4.生存バイアスって、雑学なの?
生存バイアスは認知バイアスから派生したバイアスと考えるといいでしょう。雑学的な側面もありますが、どちらかというと心理学の領域です。
雑学であれ、心理学であれ、生存バイアスは、生き残ったわずかな事例を挙げることで、的確な判断を失わせることを言います。
いずれにしろ、生存バイアスに類する広告やできごとは巷に溢れています。
ある投資ファンドが「3年以上続けた方は、みんな儲けていますよ。」という触れ込みで勧誘していたとします。
みんな儲けているから、自分も儲かるかもしれないと思って、投資をしてしまう人がいます。
ところが、3年以上続けられる人は投資のプロか、資金に余裕のある人です。損ばかり出して、資産運用ができなくなった人は途中でやめています。ちょっとした雑学があれば、すぐに分かります。
- 親が子どもに無理強いするのも生存バイアス?
iTunesでダウンロード数が1位になったアーティストの年収が、1億を越えたというニュースが流れたとします。
このニュースを聞いて、自分の娘に無理やりアーティストになるよう親が誘導するというのも生存バイアスの一つです。
世の中にアーティストはたくさんいます。仮に1,000人いたとします。その中で1位になれるのは、1人だけです。また、1位になっても何らかの偶然が関わっています。
他に大物アーティストがいなかったとか、Youtubeなどで有名人に紹介されたといった具合です。
ほかの999人のアーティストは、やっと生活していけるだけの収入しかないかもしれません。しかも、その999人でさえ、数々のオーディションを通過して、生き残った強者ばかりです。
こうした現状を知らずに娘を歌手にさせようとした親は生存バイアスに陥っていると言えるでしょう。
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5.徳川家康と生存バイアスのつながり
葵の家紋で知られる徳川家康には、いいイメージを持つ人が多いです。
実は徳川家康も生存バイアス例の一つです。
もともと織田信長と豊臣秀吉は、強い結びつきがありました。織田信長が本能寺の変でやられたとき、秀吉は中国大返しを実行して明智光秀を討ち取りました。
しかし、徳川家康は、秀吉の子どもの豊臣秀頼の時代になったとき、征夷大将軍と名乗り、秀頼勢に対抗します。そのときに活躍したのが石田三成です。
秀吉の良き補佐役で、秀頼が家督を継いだ跡も、その才を発揮します。
今でこそ、石田三成は関ヶ原の戦いで徳川家康に負けた総大将という汚名を着せられていますが、これは生存バイアスの徳川家康によって、作られた部分があります。