【はじめに】「世間ずれ」が持つイメージ
あなたは日常生活の中で「世間ずれ」という単語をよく耳にしますか?友人同士の会話よりも仕事や公的な場で使われる印象が強く、どちらかというとカジュアルな単語というよりは形式ばった印象を持たれる方も多いはず。
こういった単語は何となくの意味はわかるイメージがあるため、あえて辞書で調べなおす人も少ないのではないでしょうか。かくいう筆者も実は世間ずれの意味を数年前まで完全に間違いのまま覚えていました・・・。
ではどういった意味でいつ使うのか。よくある誤用と正しい例文、世間ずれしている人の特徴も含めて見ていきましょう。
「世間ずれ」の本当の意味
「世間ずれしている」という例文の意味はずばり「世の中を渡ってきた結果ずる賢くなっている」です。ここで用いられている「ずれ」とは「考え方がずれている」のずれではなく「物事にすれている」のすれが変化した結果のようです。
「すれている」という単語自体が元々あんまりよい印象を持たれる単語ではないですし毎日使うような単語ではありません。その上その単語が変化して「ずれ」となったため誤用してしまう人が多いのも頷けるかも?
どれくらいの人が世間ずれを正しく使えているの?
世間ずれという言葉の持つ意味をあげたところで、実際はどれくらいの人が正しく使えているのか気になりますよね。周囲はみんな理解していて誤用していたのは自分だけ ということももしかしたらあるかもしれません。どれくらいの人が正しく使えているのか、文化庁の国語に関する世論調査の結果があります。
全体では,本来の使い方である(イ)「世間を渡ってずる賢くなっている」と回答した人の割合が5割強,本来の使い方ではない(ア)「世の中の考えから外れている」と回答した人の割合が3割強と,本来の意味を選んだ人の割合の方が上回りました。
意外と正しくこの単語を理解している人は少ないようで正しく理解できている人は51.4%にしかすぎませんでした。実に49%、2人に1人は間違って覚えているんですね、ビックリ。(私もそっち側でした。)
どうして間違ったまま覚えてしまうのか
思っていた世間ずれの意味はあっていましたか?よくある誤用としては「世間の常識や考えから逸脱している」といった例があります。多くの人は前述の「ずれている」という単語から世間ずれの意味を誤用してしまうようです。また勘違いしたまま覚えてしまってもいざ会話で使う場面になった時間違いにきづかないまま意外とすんなり会話が進んでしまうことがこの誤用の特徴です。
例文として仕事場などで
「新人が来たけどどうも世間ずれしてて扱いにくい」ということを言われた際
「そうなんだね、部下にそういう人がくると大変だね。」と応答するようにどちらかが意味を履き違えていても会話としては成立してしまうため、そもそも間違いにきづかないことも大きな原因の1つとして考えられます。