【妊娠初期の茶色の出血の原因②】子宮膣部びらん
妊娠初期に茶色の出血が起こる原因には、子宮膣部びらんがあります。
子宮膣部びらんというのは、子宮の入口がびらんと呼ばれるただれのようになってしまう状態のことを言います。
成人女性の8割に見られる症状だと言われていて、病的なものではありません。
ただ、びらんになっているところは、表皮が他のところよりも薄くて、血管が透けて見えるようになっているために、妊婦健診の際の内診や性交などのちょっとした刺激によって出血しやすいのです。
病的なものではなく、がん化する心配などもないので、経過観察をすることが多いのですが、少量でも出血があまり続くようだったり、出血量が増えるようなことがあれば、レーザーメスなどで治療する必要が出てくることもあります。
出血が気になるようなら、かかりつけの産婦人科で相談しましょう。
【妊娠初期の茶色の出血の原因③】子宮頸管ポリープ
妊娠初期に茶色の出血が起こる原因には、子宮頸管ポリープがあります。
子宮の入口に、キノコのようにイボ(ポリープ)が出来てしまうものですが、99%は良性のポリープだと言われていて、特に心配する必要はないものです。
特に痛みなどはなく、経過観察することが多いのですが、子宮膣部びらんと同じように、ちょっとした刺激で出血しやすいという特徴があります。
良性のポリープであれば、特に心配する必要はないものですが、少量でも出血が続くことがあったり、出血量が増えていく場合には、手術で切除した方が良いこともあります。
出血が気になる時には、病院で相談しましょう。
妊娠初期の茶色の出血!注意が必要なものは?!
妊娠初期のおりものに茶色いものが混じる程度の出血には、それほど心配がいらないものもありますが、すぐに治療しなければならないものや、安静を保たなければならない危険な出血もあります。
素人判断はとても危険なので、少量の出血であっても、数日続くようなことがあればかかりつけの産婦人科で相談することをお勧めします。
それでは、妊娠初期の出血で危険なものにはどのようなものがあるのか、ここからみていきましょう。
【妊娠初期の茶色の出血の原因④】子宮外妊娠
妊娠初期に危険性が高い茶色の出血には、子宮外妊娠があります。
子宮外妊娠というのは、受精卵が子宮内膜以外の場所で着床してしまうことをいいます。
ほとんどの場合は、卵管で着床してしまうことが多く、激しい腹痛が起こる場合もあります。
子宮外妊娠でも、妊娠検査薬では陽性反応や妊娠初期症状が起こるのが子宮外妊娠の特徴になります。
早期に流産してしまうことがほとんどなのですが、狭い卵管の中で胎児が育ってしまうと、卵管が破裂して大量出血をして母体を危険にさらすことにもなります。
子宮外妊娠かどうかは、妊娠6週目ぐらいにはわかり、自然に流産しない場合には、手術をする必要があります。
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【妊娠初期の茶色の出血の原因⑤】胞状奇胎
妊娠初期に危険性が高い茶色の出血には、胞状奇胎があります。
受精卵が子宮内膜に着床するときには、胎児の身体となる方が細胞と、絨毛細胞に分かれ、絨毛細胞からは受精卵から絨毛と呼ばれる根っこを子宮内膜に降ろします。
この絨毛は増えていき絨毛膜という、やがて胎盤や卵胞になる組織になるのですが、胞状奇胎というのは、卵子の染色体の異常により、絨毛細胞だけが異常に増殖をして、子宮の中を覆い尽くしてしまう状態になってしまうことです。
水泡状のブドウのようなブツブツが子宮の中を埋め尽くすことから、ぶどうっ子と呼ばれることもあります。
胞状奇胎になると、出血のほかにつわりがひどくなるといった症状が見られます。
診断は、エコー検査によって発見されることがほとんどです。
胞状奇胎だった場合には、自然に流産することが多いのですが、胞状奇胎を子宮の中から取り除くためには手術が必要になります。
1回の手術では取りきれない場合も多く、手術を数回にわたって行う必要がある場合も少なくありません。
また、胞状奇胎が再発したり、絨毛がんなどの原因となることもあるので、数ヵ月にわたる経過観察が必要になります。