妊婦がコーヒーを飲むと、心拍数が上がるだけでなく、血圧も上昇します。
妊婦はそれでなくても、妊娠高血圧症候群など、妊娠時特有の高血圧症にかかるリスクがあります。
出産時に妊娠高血圧症候群にかかっていると、母体や胎児に命の危険が及びます。
医療関係者でも妊娠高血圧症候群は大変注意すべき症状だと言われているほど。
妊婦さんは特に血圧が上がってしまうような食べ物・飲み物は避けるべきでしょう。
妊娠高血圧症候群と飲食物の関係はまだ不明ですが、高血圧にならないように日々過ごすことがお腹の赤ちゃんにとっても大切な事です。
気を付けましょう。
【妊娠初期とコーヒー】妊婦とカフェインの影響=ベビー編=
ここまで、カフェインに対する妊婦の影響を見てきました。
妊婦だけではなく、健康な成人にも健康被害を及ぼす恐れのあるカフェイン。
大切にお腹の中で育てている赤ちゃんにも影響がないわけはありませんよね。
カフェインはベビーにはどのような影響を及ぼすのでしょうか?
【ベビー編】妊婦とカフェインの影響①低体重
カフェインはお腹の中のベビーにはどのような影響があるのでしょう?
まず、カフェインは興奮剤、刺激剤ですから、ベビーに良い影響を与えるとは思いません。
カフェインは胎盤を通じて母体からベビーに運ばれます。
胎児はまだ内蔵機能も未熟、特に妊娠初期はまだ内蔵を作っている段階です。
当然カフェインを分解する能力はベビーにはなく、妊娠期間を通じて毎日コーヒーを飲んでいると胎児に影響が出ると考えられます。
ハーバード大学で行った研究結果によると、妊婦のカフェイン摂取によって「低体重児」のリスクが高まるそうです。
まず妊婦をカフェインを取りすぎるグループとそうでないグループに分け、それぞれを観察していきます。
すると、あまりカフェインを摂らないグループと、たくさんカフェインを摂るグループでは38%も低体重児が生まれるリスクが上がったそうです。
これをさらに分析するとカフェイン摂取量100mgに対し、低体重児のリスクは3%ずつ上昇。
100mgといえばコーヒー1杯分。
コーヒー1杯分で3%なら大した事はありませんが、一日に何杯も取りすぎるヘビーユーザーはやはり注意が必要です。
【ベビー編】妊婦とカフェインの影響②低酸素
カフェインは血管収縮作用により胎児に影響があると言われています。
ネットでカフェインと検索すると「血行が良くなる」「血行が悪くなる」と二つ真逆の事が書かれている事に気づくかもしれません。
それもそのはず。
カフェインは「脳」の血管を収縮させ血行を悪く、末端の血管を開き血流をよくするという2極の働きがあるのです。
体の部位で作用が違うのは驚きです。
胎盤を通じて胎児に届くカフェインはそのまま蓄積され、結果血管の収縮作用によって胎児に十分な酸素が運ばれないというリスクが考えられます。
出産時に低酸素状態で生まれてくるベビーは脳障害など、脳の発達過程における障害の恐れが予想されます。
カフェインを取りすぎることのない限り、あまり気にすることはないと言われますが、少しのリスクでも、もし自分のベビーだったら!と思うとぞっとします。
【ベビー編】妊婦とカフェインの影響③自然流産
カフェインの血管収縮作用により、自然流産のリスクがあがる可能性も考えられます。
自然流産はまだまだ原因がわからないものではありますが、カフェインの因果関係も可能性の一つとして挙げられています。
そもそも初期の自然流産の場合、遅めの生理かな?
という感じで妊娠に気づいていない女性も多く、それも、自然流産の原因解明の遅れにつながっています。
ただ、子宮の血管収縮作用などを考えるとカフェインの影響もゼロではない気がします。
調べてみても因果関係は分からないものの、カフェインは自然流産にまったく関係していないと考える人は少ないようです。
【妊娠初期とコーヒー】妊婦は妊娠中カフェインを避けるべき
ここまで読んできてはっきりした因果関係は分からないものの、妊娠中は避けるべきだと分かりました。
医療関係者の間でも、分からないが、何らかの影響はある...という意見がほとんどです。
農林水産省からもカフェイン摂取について(健康な成人に対して)注意喚起がされています。
妊娠中であればなおさらでしょう。
アメリカやカナダ、イギリスなど、妊婦のカフェイン摂取量の上限を提案している国々でも、はっきりとした研究結果が出ていないため一日のカフェイン摂取量は各国でまちまちです。
例えば
妊娠中の1日コーヒー摂取量上限
アメリカ 200mg
カナダ 400mg
イギリス 200mg
スウェーデン 100mg
WHO 200mg
だいたい100mgから多い国400mgとかなり差はありますが、日本では100mを基準に考えている人が多いようです。
妊婦の一日カフェイン摂取量
一日にカフェインを取りすぎるのは母体にも胎児にもよくありません。
各国でも妊婦の1日の上限摂取量が決められています。
研究機関によっては100mgの摂取量でも胎児に影響が出ると主張するところもありますから、カフェイン100mを基準に妊婦さんがどのくらいコーヒーを摂取していいのか検証しましょう。