記事の目次
- 1.新生児の赤ちゃんとは?
- 2.新生児の赤ちゃんの原始反射とは?
- 3.新生児の赤ちゃんの哺乳反射の一覧
- 4.新生児の赤ちゃんの押し出し反射
- 5.発達の目安にもなる原始反射
- 6.反射中枢が脊髄にある原始反射一覧
- 7.新生児の赤ちゃんのガラント反射
- 8.新生児の赤ちゃんのバビンスキー反射
- 9.新生児の赤ちゃんの歩行反射
- 10.新生児の赤ちゃんの手掌把握反射
- 11.新生児の赤ちゃんの足底把握反射
- 12.新生児の赤ちゃんの交叉伸展反射
- 13.新生児の赤ちゃんの屈筋逃避反射
- 14.反射中枢が脳幹にある原始反射一覧
- 15.新生児の赤ちゃんの引き起こし反射
- 16.新生児の赤ちゃんの非対称性緊張性反射
- 17.新生児の赤ちゃんの緊張性迷路反射
- 18.新生児の赤ちゃんのモロー反射
- 19.赤ちゃんの対称性緊張性頚反射
- 20.赤ちゃんのパラシュート反射
- 21.【おわりに】原始反射は未熟な人間の赤ちゃんにとって大切な機能
■参考記事:新生児のひきつけ、要注意なのはこれ!
赤ちゃんの対称性緊張性頚反射
赤ちゃんをうつぶせの状態にして頭を上げさせると両腕が伸びて両足が曲がります。頭を下げさせると両腕が曲がり両足が伸びます。この原始反射の事を対称性緊張性頚反射と言います。この原始反射の発生時期は新生児期の子育てに落ち着いてきた生後4か月頃から6カ月頃で、消失時期は生後10カ月から1歳程度です。この反射は脳幹を反射中枢とする種類の原始反射です。
赤ちゃんのパラシュート反射
赤ちゃんを直立に支えて頭を下げた時に、手を広げて体を支えようとする反射や、座ったままの状態から後方や横に倒れそうになった時にも両手を広げて自分の身体を支えようとする反射のことをパラシュート反射と言います。
このパラシュート反射は、姿勢反射の種類に属します。大人でもつまづいてこけそうになるととっさに手が出ますが、これもパラシュート反射です。パラシュート反射はこのように赤ちゃんが自分の体を守るために大切な反射なのです。パラシュートで降りてくる人が両手や両足を広げて身体を支える姿勢を取ることから、パラシュート反射と呼ばれているようです。
子育中は、1歳前後の赤ちゃんがつかまり立ちやよちよち歩きを始めると、危なっかしくて目を離せません。頭の重い赤ちゃんはすぐに転んでしまいますが、パラシュート反射のおかげで転びそうになっても即座に手が前に出せることができるのです。
パラシュート反射は赤ちゃんが生後9ケ月になる頃に出始めます。ちょうど大脳皮質の発達が現れる頃にパラシュート反射も現れるのです。それに伴ってパラシュート反射が現れ自己防衛の動きを覚えていきます。パラシュート反射と運動神経が発達することにより自分で自分を守れるようになるのです。
そしてパラシュート反射は、一度現れると消失することはありません。大人になってもパラシュート反射は自己防衛の為に、必要な反射なのです。パラシュート反射は生後9か月頃から現れ、大人になっても持続し、高齢になってくると徐々に反射能力が衰えてくると言われています。
生後9か月頃を過ぎてもパラシュート反射が見られない赤ちゃんは、大脳皮質中枢の発達障害や脳性麻痺などの可能性もあるかもしれませんので、子育て中はパラシュート反射が見られるかどうか、注意深く観察したほうが良いでしょう。
【おわりに】原始反射は未熟な人間の赤ちゃんにとって大切な機能
赤ちゃんの色々な原始反射の一覧を見てきましたが、生き物の生命力には驚かされることばかりです。牛や馬などは生まれてすぐに立ち上がることができますが、人間の新生児の赤ちゃんは、非常に未熟で大人の手を借りなければ生きていけないものです。
でも、そんな中でも無意識に人類に備わった原始反射という機能のおかげで、赤ちゃんは精一杯生きていく力を発揮しているのですね。命とは神秘的でかけがえのないものです。赤ちゃんの、生命維持や発達の為にとても大切な原始反射。原始反射について知ることは、人類の歴史そのものを知ることにも繋がるのかもしれません。