2年生までは難なく勉強についていっていた子供が、3年生になって普段の生活に関わりのない、抽象的思考が問われる問題が増えてくると、勉強についていけなくなることがなります。
具体例としては、算数なら分数や少数の計算、国語なら文章問題といったもの。理科の化学実験のように、イメージがしづらい上に、幾通りにも答えがあるものは最たるものです。
個人差はあるとは言え、子供によっては勉強に対して完全な拒否反応を示すこともあります。
また、この時期に勉強へのモチベーションが下がってしまうと、ますます勉強をしなくなる…という悪循環に陥ることもあり得ます。
そうなると、いくら公文式や優秀な塾に通わせても、意味がなくなってしまうのです。
9歳の壁にぶつかった時の具体例2【自信をなくす】
8歳くらいまでは、保護者がほめたり励ましたりするだけで、素直に「うれしい~」と喜んでいたのに、9歳くらいを境に、「別に…」と自信なさげな言動に変わって行った…。
そんな具体例は、星の数ほどあります。親は突然の我が子の豹変ぶりに戸惑い、悲しい気分になるかもしれませんね。でも、それ以上に子供は不安を感じ、自分に対する自信をなくしていっています。
親としては、「うちの子は発達障害かもしれない」「公文式に通わせた方がいいのかしら?」など様々な心配が押し寄せてくるでしょうが、子供が自信をなくすのは、大人になる上では乗り越えるべき壁なのです。
過度に心配せず、また叱咤したり否定することなく、見守ってあげてください。放っておいても、子供はちゃんと成長していきますよ。
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9歳の壁にぶつかった時の具体例3【社会性に乏しくなる】
今までは自分と親の世界だけで生きていればよかったけれど、9歳ともなると、まわりの人とどんどん関わるようになってきます。
仲良しグループのできるこの時期は、一見何も問題なさそうに見えますが、当の子供にとっては、少なからずストレスやモヤモヤ感を覚える世界に放り込まれたような状態です。
9歳の壁につまずくと、そうした外界の世界よりは、自分一人の世界にこもってる方が楽だということで、社会性に乏しくなることがあります。
具体例としては、発達障害を発症したり、他人に対する共感力やコミュニケーション能力が落ちていってしまうのです。
9歳の壁にぶつかった時の具体例4【他者への劣等感が強くなる】
自分の意識が変わり、心も体も大きく変わるこの時期は、本人が望む望まないに関わらず、他者への劣等感が強くなります。
他者と比べることで、自分のいいところも悪いところも知ることになり、子供によっては自己否定につながることもあり得ます。
具体例としては、「あの子は勉強ができるのに、自分はいつもさえない成績…」「アイツは運動神経抜群でうらやましい」といったことです。
一度ドツボにはまると、発達障害や引きこもり状態になることも…。劣等感もまた、9歳という年齢に与えられた試練なのです。
9歳の壁を乗り越える!保護者ができること
9歳の壁を乗り越えるには、保護者の関わり方がとても重要です。ただ励ますだけでなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、適切なサポートをすることで成長を後押しできます。
ここでは、保護者ができる具体的な関わり方やサポート方法についてご紹介します。
9歳の壁を乗り越える!保護者ができること1【ほめる】
学校の宿題を時間をかけてやっても、公文教室に通っても、学習の成果がすぐに出ないことがあります。それどころか、あまりにも成果が出ずに、「自分は何をやってもダメなんだ…」と、自分の殻に閉じこもってしまう恐れもあります。
「発達障害かしら?」と疑う前に、子供が頑張っている姿をくみとり、ほめてあげるようにしましょう。