インド人の名前はヒンディー語
インドは多言語国家で、ヒンディー語、ウルドゥー語、ベンガル語、カンナダ語など15の言語が使用されています。公用語はヒンディー語が指定されています。主にインド東部や中部で使われていますが、インド人全員がヒンディー語でを理解するわけではありません。
しかし、言語ごとの共通点も多く、また、英語が補助公用語として使われているので、同じインド人なら相手の言葉がまったく分からないということはまれでしょう。
インド人の名前には、主に公用語であるヒンディー語が使われます。しかし、民族や地域によってはベンガル語やサンスクリット語の名前もあります。
インドの名づけ方法は、神話の登場人物や神の名前や、先祖の名前をもらうのがスタンダード。と同時に、星宿を呼ばれる星占いが大きく影響していて、「星座ごとに決められた頭文字から始まる名前をつける」というルールが守られています。
例えば、天秤座の子供にはRかTで始まる名前、水瓶座の子供にはGかSかSHで始まる名前をつける、といった具合に、縁起の良い文字が決まっていてそれに従います。近年では、こうしたルールを無視して名づけられた子供もいますが、まだ数は多くありません。
インド人が宗教や伝統を大切にしていることが伺えますね。
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Om(オム)
Om(オム)は、インドでは昔からある由緒正しい名前。バラモン教やヒンドゥー教、仏教などにおいて、聖なる呪文とされている言葉です。
日本でも、仏教のお坊さんが唱える念仏で、「オン」で始まる文言を聞いたことのある人は多いでしょう。この「オン」という言葉は、冒頭の決まり文句のようなもの。念仏の最後の「ソワカ」とセットで使用されます。
この「オン」は「オム」が変化したもので、神聖な言葉とされています。オーソドックスな名前すぎて一時期は減っていましたが、近年、またその数を増やしているという人気の名前です。
Rudra(ルドラ)
Rudra(ルドラ)は、ヒンドゥー教に出てくるシヴァ神の前身とされている神の名前。神様の名前をそのまま拝借するという、インドではスタンダードな名づけ方法がとられています。
ルドラは、暴風神としてインド神話に登場しています。インドでは、モンスーンの後に豊穣がやってきます。そのことから、ルドラは決して悪い神様ではなく、豊穣をもたらしてくれる神様として崇められています。
ルドラはゾロアスター教では悪魔とされているため、インド国内でもゾロアスター教信者はつけない名前です。
Anik(アニク)
Anik(アニク)はサンスクリット語で「兵士」という意味の言葉です。転じて、「強い」「力」という意味を持つ名前となっていて、息子に強い男性になって欲しいという親の願いと意味が込められています。
Kabir(カビーア)
Kabir(カビーア)は「偉大な」という意味が込められた名前。13世紀のインドの宗教改革家だったカビーアから拝借している人が多いようです。
カビーアは、ヒンドゥー教とイスラム教の影響を受け、カースト制度に対する批判をし、一神教の思想を広めたとされる人物。確かな痕跡が残っているわけではありませんので、インドでは伝説の人物となっています。
著名な人物・伝説の人物にあやかりたいという親の願いは、日本と同様ですね。
Raahithya(ラーヒズヤ)
Raahithya(ラーヒズヤ)は、「繁栄」という意味があるヒンディー語の名前です。子供に対して裕福になって欲しい、豊かな人生を送って欲しいという親は多く、インドでも多い名前の1つです。
日本人の名前でも、「栄」という文字を入れた男性名は多いですよね。「栄孝(ひでたか)」や「栄治(えいじ)」という名前は、昔からあります。
Ishaan(イシャン)
Ishaan(イシャン)は、ヒンドゥー教の神の1人であるヴィシュヌ神の別名です。神様から名前を拝借するという、インドのスタンダードな名づけ方法が取られています。
ヴィシュヌ神はとても位が高く、ビシュヌ神を最高神として崇めるビシュヌ派という一派があるほどです。
イシャンには「太陽」「富の主」といった意味もあり、神様から名前をもらうという縁起的な意味合いだけでなく、親の願いもしっかりと込められている名前です。